2026年も、株式市場では生成AIの進化とともに、NVIDIA(エヌビディア)を中心としたAI・半導体関連銘柄が高い注目を集めている。こうしたAIブームの流れは暗号資産市場にも広がり、AIやデータ、分散型コンピューティングを活用したプロジェクトへの期待が一層高まっている。
暗号資産運用大手グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、仮想通貨市場におけるAIカテゴリー全体へ分散投資できる「分散型AIファンド」を提供しており、機関投資家によるAI×ブロックチェーン分野への資金流入が続いている。将来性が期待されるAI銘柄を機関投資家と同じ視点で把握できる点が、このファンドの注目ポイントだ。
本記事では、グレースケールファンドに選出されたNEAR・TAO・RENDER・FILの4銘柄を中心に、SUI・WLD・FET・AKTなど注目のAI関連銘柄を厳選して解説する。コインチェックやビットバンクなど国内取引所での買い方も合わせて紹介するので、これからAI銘柄への投資を検討している方はぜひ参考にしてほしい。
グレースケール(Grayscale)分散型AIファンドとは
グレースケール(Grayscale)分散型AIファンドは、AI×ブロックチェーン領域を代表する主要プロジェクトに分散投資する投資商品である。ファンド内では各銘柄の保有比率(Weight)が設定されており、特定のトークンに偏らず、AIセクター全体の成長を捉えることが可能。

出典:Grayscale
構成銘柄は、AIセクターの代表的な4銘柄で構成されている。各銘柄の保有比率(Weight)は主に時価総額に基づいて設定されており、ファンドは四半期ごとにリバランスが行われる。これにより、投資家は個別銘柄の選定やポートフォリオ管理の手間なく、AIカテゴリー全体への分散投資を実現できる。
比率は相場の変動に伴い四半期内でも変化しており、2026年8月3日時点ではNEAR 31.35%・TAO 29.15%・RENDER 21.59%・FIL 17.91%だったのに対し、 Grayscale公式サイトによると2026年10月7日時点ではNEARの比率が上昇し、NEAR 48.63%・TAO 22.23%・RENDER 16.31%・FIL 12.83%となっている。なお、同ファンドは適格投資家向けのプライベート・プレイスメント型であり、運用資産残高は約96.6万ドル(2026年10月7日時点)と比較的小規模にとどまる。
グレースケール分散型AIファンド銘柄4選
ニアープロトコル(NEAR)
ニアープロトコル(NEAR)は、AIとブロックチェーンをつなぐレイヤー1プロジェクト。「高速・低コスト・開発しやすい」環境を強みに、AI関連アプリやWeb3サービスが数多く構築されており、AI基盤ブロックチェーンとして注目を集めている。
NEARトークンはネットワーク手数料やステーキング、ガバナンスに利用されるほか、将来的にはAIモデルの実行やデータ利用料の支払いなど、AI経済圏での活用も見込まれている。また、国内取引所を通じて購入・ステーキングが可能であり、保有しながら報酬が獲得可能になっている。
また、資産運用会社Bitwiseは米国初のNEAR現物ETF(ティッカー:NRR)を2026年9月末にニューヨーク証券取引所(NYSE)へ上場した。信託手数料は年0.75%で、ステーキング報酬(年率約5%目安)の獲得も目指す設計となっており、機関投資家の資金流入や市場認知の拡大が期待されている。
関連:ニア(NEAR)とは?特徴・ステーキング・国内取引所での買い方を解説
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約840円 |
| 時価総額 | 約1兆900億円 |
| 時価総額ランキング | 17位 |
| 過去最高値 | 約3,223円(2022年1月17日) |
ビットテンソル(TAO)
ビットテンソル(TAO)は、AIとブロックチェーンを組み合わせ、AIの開発・共有・報酬を分散的に行うためのネットワークを構築しているプロジェクトである。誰でもAIモデル(チャットボットや画像生成など)をネットワーク上に公開でき、他の参加者がそのモデルを利用したり改良したりすると、自動的に報酬が支払われる仕組みを持つ。
ネットワーク上で使われるトークンTAOは、AIの学習や評価に貢献した人への報酬として分配される。AIの性能を高めた開発者や、優れたモデルを見つけた評価者など、ネットワークに価値を与えた人が報われる構造となっており、TAOはその経済圏を支える役割を担っている。
暗号資産運用会社のグレースケール・インベストメンツは、ビットテンソルに特化した暗号資産投資信託を提供しており、さらに同社が運用する「分散型AIファンド」においても、TAOはAI×ブロックチェーン領域を代表する中核銘柄の一つとして組み込まれている。
関連:グレースケール、仮想通貨SUIとTAOの投資ファンドを販売開始
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約45,980円 |
| 時価総額 | 約5,331億円 |
| 時価総額ランキング | 29位 |
| 過去最高値 | 約121,185円(2024年4月11日) |
ビットテンソル(TAO)は、2026年1月9日にBinance Japan(バイナンス・ジャパン)でTAO/JPYペアの取扱いが開始され、国内取引所でも購入できるようになった。
180ヶ国以上で2.9億人のユーザーを抱える世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所Binanceの日本法人であるBinance Japanは、2026年1月時点で65銘柄を取り扱っており、TAOはその中に含まれる。
関連:ビットテンソル(TAO)とは?分散型AIインフラの仕組みと将来性・買い方【2026年】
レンダーネットワーク(RENDER)
レンダーネットワーク(RENDER)は、映画・ゲーム・AI開発などで必要とされるGPUの計算能力を共有する分散型プラットフォーム。GPUを持つユーザーはそのリソースを貸し出して報酬を得られ、必要とするクリエイターは低コストで高性能な計算力を利用できる。
支払いと報酬にはRENDERトークンが使われ、GPUの貸し借りをブロックチェーン上で安全かつ効率的に管理する仕組みを実現している。
AIブームによりGPU需要が急増する中、処理速度(TPS)が非常に高く、手数料も安い、ソラナチェーンへの移行など技術強化も進められている。
関連:RENDERとIOの買い方 AI・DePINで注目される分散型GPUネットワークとは
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約321円 |
| 時価総額 | 約1,666億円 |
| 時価総額ランキング | 66位 |
| 過去最高値 | 約2,146円(2024年3月18日) |
レンダーネットワーク(RENDER)は、現在国内でビットバンクのみが取り扱っている。
ビットバンクは、10年間の安定創業を支えたセキュリティ体制と、取引量の高さ、暗号資産の出庫対応の早さに定評がある。
主力のビットコイン・イーサリアムはもちろん、多彩なアルトコインの現物取引に対応。43銘柄の取り扱いとリーズナブルな手数料設計が特徴だ。シンプルな画面設計により、暗号資産取引初心者にも安心しやすい取引所として支持を集める。
ファイルコイン(FIL)
ファイルコイン(FIL)は、分散型ストレージを提供するブロックチェーンプロジェクトであり、データ保存の効率化と信頼性の向上を目指している。ユーザーは余剰ストレージを提供することで報酬を得ることができ、AIが扱う膨大なデータの保管基盤として注目されている。
ファイルコインネットワークは、分散化によってデータの安全性を確保しながら、特定の利用形態において従来のクラウドストレージに代わる選択肢を提供する。AI分野では、長期保存が必要なモデル学習データやアーカイブ用途での活用が検討されている。
FILは、データの保存・取得に関する取引手数料や、ストレージプロバイダーへの報酬などに利用される。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約168円 |
| 時価総額 | 約1,400億円 |
| 時価総額ランキング | 71位 |
| 過去最高値 | 約37,451円(2021年4月1日) |
仮想通貨のAI関連銘柄とは
仮想通貨のAI関連銘柄とは、人工知能(AI)技術を活用したブロックチェーンプロジェクトの通貨を指す。
これらのプロジェクトは、AIによるブロックチェーンの検証メカニズムの効率化や、AIを活用した分散型アプリ(AI dApp)によるサービス提供を目指しており、近年大きな注目を集めている。
株式市場でAI関連銘柄が急騰しているのと同様に、仮想通貨市場でもAIプロジェクトへの期待が高まり、大幅な価格上昇を見せるトークンも登場している。 Grayscaleの分析によると、仮想通貨のAI関連セクターは2026年9月に約54%上昇し、市場全体の上昇率(約24%)を大きく上回った。なかでもNEARは同月+183%、WORLD(旧WLD)は+47%、TAOは+37%と好調に推移している。
以降では、「グレースケール分散型AIファンド」に選出された4銘柄以外で注目を集めるAI関連プロジェクトやトークンについて解説していく。
AI関連プロジェクト銘柄4選
スイ(SUI)
スイ(SUI)の基盤を開発するMysten Labsは、AI技術との統合を進める中で、特にAI駆動の監査ツールの開発に注力している。Sui財団のビジョンは、AIとブロックチェーン技術を統合することで、より安全で効率的、そして使いやすいエコシステムを構築することにある。
関連:Sui開発のMysten Labs AI監査ツールの開発を発表
Mysten Labsは、AIを活用したブロックチェーンのセキュリティ強化に特化しており、Google Cloudとの協業を通じて、継続的なセキュリティ監査やボット検出、ストレステストを実施し、AIの導入によってセキュリティの向上が期待されている。
さらに、AIスタートアップのAtomaと提携し、AIの推論ネットワークをSuiに統合することを発表した。この統合により、開発者はアプリケーション構築でAIを容易に活用できるようになる。
関連:仮想通貨スイ(SUI)とは?特徴・将来性と国内取引所での買い方【2026年】
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約180円 |
| 時価総額 | 約7,410億円 |
| 時価総額ランキング | 24位 |
| 過去最高値 | 約845円(2025年1月7日) |
関連:Sui(スイ)、Web3をAIで変革 エコシステムの最新動向
ワールド(WORLD/旧WLD)
ワールド(WORLD、旧WLD)は、AI技術の進化に伴い、人間とAIを識別するための新たな手段を提供することを目的としたプロジェクト。このプロジェクトは、AIが日常生活に浸透する中で、個人のアイデンティティを守るための役割を果たすことが期待されている。
WORLDは、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が主導しており、AIとブロックチェーン技術の融合を目指している。アルトマン氏は、AIの進化がもたらす社会的影響を深く理解しており、WORLDを通じて、個人のアイデンティティを保護しつつ、経済的な機会を提供することを目指している。
WORLDは、偽装IDやAIボットによるサイバー犯罪の問題に対処するために、虹彩認証を用いた個人認証手段を提供する。この手法により、ユーザーは自分が人間であることを証明し、デジタル空間での安全性を高めることができる。
さらに、WORLDは、デジタル通貨を通じてベーシックインカムを実現することを目指している。
関連:ワールドコイン(WORLD/旧WLD)とは?World Appのもらい方・現金化・将来性
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約83円 |
| 時価総額 | 約3,157億円 |
| 時価総額ランキング | 43位 |
| 過去最高値 | 約1,865円(2024年3月10日) |
WORLDは、現在国内取引所で取扱いがないので、購入するためには海外取引所やDEXを利用する必要がある。
これらの利用にあたっては、国内取引所で仮想通貨を購入してから、購入した仮想通貨を送付してから初めて利用できるようになる。
国内取引所については、セキュリティに対する信頼度も高い東証プライム上場企業SBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所「SBI VC トレード」が初心者におすすめだ。
Artificial Superintelligence Alliance(FET)
FETは、分散型AIプロジェクト「Fetch.ai」と「SingularityNET」を中心に形成された分散型AI連合「Artificial Superintelligence Alliance(ASIアライアンス)」のトークンである。2024年7月にトークン統合が完了し、旧FETトークンがASIトークンとして機能している(取引所ではFETティッカーが継続使用されている場合もある)。
関連:仮想通貨AI銘柄「FET」の買い方・将来性を解説【Artificial Superintelligence Alliance】
ASIアライアンスは、ビッグテックに対抗する分散型の人工超知能(ASI)の実現を目指しており、2億ドル超のAI計算インフラを確保。約524のバリデータノードを持ち、世界最大規模の分散型AIコンピュートネットワークの構築を進めている。
FETは、ステーキング、ガバナンス投票、AI計算・サービス利用の決済、分散AIモデルへの参加・共同所有といった用途を担う。また、Deutsche Telekom、Bosch、Alibaba Cloudといった企業がバリデータ運営に関与している点も注目される。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約37円 |
| 時価総額 | 約857億円 |
| 時価総額ランキング | 88位 |
| 過去最高値 | 約548円(2024年3月29日) |
仮想通貨FETは、2025年12月12日に、Binance Japan(バイナンスジャパン)で国内初上場。
アカッシュネットワーク(AKT)
アカッシュネットワーク(AKT)は、AIモデルのデプロイをサポートするために設計された分散型プラットフォーム。このネットワークは、開発者がAIアプリケーションを迅速に展開できるようにし、特に高成長分野においてその効率性とコストパフォーマンスを向上させる。
AI技術の進化に伴い、アカッシュネットワーク(AKT)は開発者にとって不可欠なリソースとなりつつあり、AIの可能性を引き出すための基盤を提供している。
アカッシュネットワークは、ユーザーが自分のデータを安全に管理できる環境を提供し、AIアプリケーションの開発においてもプライバシーを重視している。この結果、アカッシュネットワークはAI開発者にとって、信頼性の高いプラットフォームとしての地位を確立している。
関連:分散型物理インフラ「DePIN」として再注目されるプロジェクト3選
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 現在価格 | 約112円 |
| 時価総額 | 約334億円 |
| 時価総額ランキング | 141位 |
| 過去最高値 | 約1,276円(2021年4月7日) |
国内で取扱いのない、AI関連銘柄の買い方
AKTなど、AI関連銘柄の多くは国内取引所での取り扱いが限られているため、以下の手順での購入が一般的となっている。
- SBI VCなどの国内取引所でETHやSOLを購入
- 購入した通貨を海外取引所やDEXへ送付
- 目的のAI関連銘柄と交換
国内取引所については、セキュリティに対する信頼度も高い東証プライム上場企業SBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所「SBI VC トレード」が初心者におすすめだ。
関連:イーサリアム(ETH)の買い方|初心者向けおすすめ取引所3選と購入手順を解説【2026年最新】
関連:ソラナ(SOL)の買い方|初心者向けおすすめ取引所3選と購入手順を解説【2026年最新】
AI関連銘柄への投資のリスク
価格変動リスク:特にAI関連の仮想通貨は、技術の進化や市場の動向に敏感に反応し、短期間で大きな価格変動を見せることがある。例えば、特定のプロジェクトが新たな技術を発表した際、その期待感から価格が急騰する一方で、実際の成果が伴わない場合には急落することもありえる。
流動性リスク:市場での取引量が少ない場合、投資家は希望する価格で売買を行うことが難しくなることがある。例えば、特定のAIプロジェクトのトークンが流通量の少ない状態で取引されていると、売却したいときに適正価格での取引ができず、結果的に損失を被る可能性がある。
技術的リスク:プロジェクトが依存する技術が未成熟であったり、セキュリティ対策が不十分であったりする場合、ハッキングやデータ漏洩のリスクが高まる。AI関連の仮想通貨プロジェクトでは、特に重要な要素になる。
税務リスク: 仮想通貨の売買によって得た利益は課税対象となる。日本では原則として「雑所得」として扱われ、金額によっては確定申告と納税義務が発生する。
対策:取引履歴や損益を正確に記録し、確定申告に備えておくことが重要。
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