CoinPostで今最も読まれています

米仮想通貨取引所コインベース、ERC20トークンの上場ガイドラインを発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ERC20トークンのガイドライン

米大手仮想通貨(暗号資産)取引所コインベースは18日、イーサリアムのブロックチェーンで発行されるERC20トークンを上場するか判断する際のガイドラインを発表した。

最も上場リクエストの多いトークン規格とされるERC20トークン、最近イーサリアムのブロックチェーンが多く利用されるDeFi(分散型金融)分野の急成長に伴い、ユーザーの需要も増加傾向にある。時価総額ランキングで5位に浮上した仮想通貨Chainlink(LINK)もERC20を利用して発行される仮想通貨だ。

関連進化する仮想通貨のDeFi市場、総時価総額150億ドル規模へ

コインベースは、上場の際に最も重視するポイントをセキュリティだとして、主に以下の4点を挙げた。これらの条件はスマートコントラクトを利用するプロジェクトの基本だとしている。

  • ソースコードを検証できるか
  • 業界基準のコードを使っているか
  • 管理者がどのような権限を持っているか
  • 設計がシンプルか

コインベースはユーザー保護の観点からも、上場の前に徹底したセキュリティチェックを行なっているという。

ガイドラインの詳細

ソースコードを検証できるか

コインベースがトークンを上場させる際に、最も重要なステップと説明するのがソースコードの検証だ。上場時、ソースコードにアクセスできることを要求しており、ソースコードにアクセスできない場合、監査担当者やセキュリティエンジニアが容易にトークンを分析できず、確信を持ってレビューを行えないと説明している。

効率的にコードを検証を行えるようにするために、Etherscanのような信頼できるプラットフォームにスマートコントラクトのソースコードをアップロードするなど、具体的な方法も提示した。

業界基準のコードを使っているか

2点目として、できるだけゼロからスマートコントラクトのコードを書かないように勧めている。開発者や開発チームは経験に関わらず、重要なポイントを見逃す可能性があると指摘した。

よく利用されているオープンソースのスマートコントラクトであれば、厳格に調査されており、テストも行われているため、業界で広く使われているコードを使うように推奨している。

管理者がどのような権限を持っているか

3点目はトークン保有者に与えられる権限だ。スマートコントラクトの中には、意図して取引を停止したり、ユーザーの残高を調整したりと重大な権限をトークンを所有する管理者に与えているものがある。こういった権限は、コインベースがユーザーの資産を安全に保管できるかどうかに大きな影響を与えるため、内容によっては上場の可能性が低くなると説明した。

例えば許可なしにユーザーの資産を凍結、バーン(焼却)、また変更しないようにすること、さらに可能であれば、スマートコントラクトの機能を変更する時に一方的に実行する権限を与えるのではなく、ユーザーの同意を得てから変更を行うようにすることを望むとしている。

このような対応が不可能であれば、特にユーザーの残高に影響を与えるような行為に関しては、詳しいポリシーや対応手順を提供するよう求めた。

設計がシンプルか

4点目について、コインベースはセキュリティの観点からは「驚きのない退屈なトークン」を好むと説明。複雑なプロトコルは最新機能を搭載できるかもしれないが、トークン自体はセキュリティ面からもシンプルにする必要があると述べている。

複雑さを軽減する方法としては、トークンに関する機能を最小限にすることや、外部のトークンへの依存を減らす、もしくは失くすことなどを挙げている。

まとめ

今回の発表では上記4点以外にも要求することを記載した。特に複雑なトークンについて、信頼できる企業にスマートコントラクトの監査を依頼することや、トークンの説明について詳細な文書を作成することなどを求めている。

ERC20トークンは比較的容易に発行できるが、複雑さやセキュリティのレベルはトークンによって大きく異なると指摘。コインベースは新しい技術を支持し、革新的なプロジェクトの銘柄を上場したいと考えていると述べ、開発者もコミュニティも今回のガイドラインを役立てて欲しいと結んでいる。

参考資料 : コインベース

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。
13:04
SBI VCトレード、ジパングコインの貸暗号資産で特別年率を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードがジパングコイン取扱いを開始し、貸コインで年率99%の特別キャンペーンを実施中。デジタルゴールドでインカムゲインを得る機会が期間限定で提供される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア