CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨業界の懸念するインフラ法案、米議員3名が修正案を提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米議員ら、インフラ法案の修正求める

暗号資産(仮想通貨)企業からの税金徴収額を強化することで、米国経済の基盤強化を図るインフラ法案について、米議員ら3名が修正案を提出した。ブロックチェーン業界から問題視されている「ブローカー」の定義を改める狙いがある。

修正案を提出したのは民主党のRon Wyden議員、並びにビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨擁護派として定評のある共和党所属のCynthia Lummis議員とTom Emmer議員。Wyden議員は上院財政委員会の会長を務めており、これまでも法案が明確性に欠けていることから、意図しなかった結果につながるリスクに懸念を示していた。

ブロックチェーン業界から注目を集めるインフラ法案はバイデン大統領の看板政策の一つ。今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を様々なインフラに投資するもの。

インフラ法案とは

米上院から提出され、今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を提案する法案。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。

▶️仮想通貨用語集

巨額の資金が要されるインフラ法案だが、仮想通貨領域への課税強化を促すことで法案に充てる狙いがある。法案では「ブローカー」の定義が具体性に欠けていることから仮想通貨取引所だけではなく、マイナーやウォレット提供者、または開発者などにも定義が当てはまる可能性が浮上。

今回3名の米議員が提出した法案では以下の3分野の企業や人物がブローカーの定義から対象外に変更するよう呼びかける内容だった。

  • 分散型台帳の取引を承認を行うもの(マイナーやバリデータ)
  • 分散型台帳上のデジタル資産にアクセスするための秘密鍵の管理を可能にするハードウェアまたはソフトウェアを販売する企業(ウォレットプロバイダー)
  • デジタル資産および関連するプロトコルを開発するもの(開発者の顧客として利用される場合は除く)(開発者・デベロッパー)

修正案を提出した議員の一人でもあるToomey議員は以下のようにコメントした。

米議会は、仮想通貨の開発と取引を巡る問題をより良く理解し、法整備を進めるために努力しているが、イノベーションを阻害するような負荷の大きい規制を課すことには注意すべきだ。

今回の修正案では、ブローカーの定義を明確にすることで、マイナーやネットワークバリデーター、その他のサービスプロバイダーなどの非金融仲介者が、超党派のインフラ法案で規定される報告義務の対象とならないようにする。

業界団体も修正案を支持

ブロックチェーンのロビー団体であるCoin Centerも修正案に関する声明を発表。業界団体のブロックチェーン協会やコインベース、リビット・キャピタルやスクエア社とともに仮想通貨領域の過度な規制はイノベーションを阻害し、企業の海外流出につながるとインフラ法案を非難した。

他にも、法案が実現すれば顧客以外の個人情報の報告も義務付けられる点を危惧。仮想通貨をはじめとする金融領域のイノベーションは雇用創出やGDPの向上など、米国経済に貢献すると言及した。

また、パブリックコメントの必要性も呼びかけた。

米国の大手仮想通貨取引所コインベースのBrian Armstrong CEOも修正案の支持を表明。米国内の仮想通貨業界に甚大な影響を与え、イノベーションの海外流出につながると懸念を示した。

さらに、仮想通貨法政に詳しい有識者のJake Chervinsky弁護士も米国市民に居住州の政府代表に連絡して、修正案を支持するよう呼びかけた。自身もバージニア州の議員宛てにインフラ法案の改正を求めたという。

私はバージニア州に住んでおり、仮想通貨業界で働いている。

インフラ法案の仮想通貨監視における規定は我々の共通善(政治的コミュニティー)と米国にとって壊滅的な打撃となる。Wyden、Toomey、Lummis議員らの修正案を支持するよう強く求める。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア