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米大手資産運用会社フィデリティ、2022年の仮想通貨市場を展望

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2022年の仮想通貨市場を展望

米大手資産運用会社フィデリティ・デジタル・アセットは6日、2021年の暗号資産(仮想通貨)市場を振り返り、2022年を展望するレポートを発表した。

フィデリティは、まず2021年の市場を振り返り、機関投資家による仮想通貨投資や、ビットコイン(BTC)先物ETFなどの新たな金融商品による仮想通貨へのアクセス手段増加などが見られたと総括。

2022年も機関投資家の需要は続くと予測した。仮想通貨への資金流入については、「規制の明確化とアクセシビリティ」が鍵になるとしている。レポートは次のように述べた。

規制により、金融サービス企業が採用可能な法的遵守の方法が明確になると、従来型の金融企業も、既存のユーザーが仮想通貨にアクセスできるような環境構築を開始することができる。

適切な規制の下で、金融会社が投資家に仮想通貨へのアクセスを提供するため協力していけば、仮想通貨の採用は増加するだろう。規制当局が適切なガイダンスを提供することで、投資家のコンプライアンスやリスクに関する懸念が軽減される。

米ドルといった法定通貨などに価値を裏付けられた、USDTなどステーブルコインの課題としては、「裏付け資産の信頼性」を確保する必要があることを挙げている。これに対して、裏付け資産ではなく、アルゴリズムにより価値を安定させるようなステーブルコインの発展可能性にも注目した。

マイニング勢力図の変化

また、ビットコイン(BTC)の採掘事業(マイニング)についても言及。2021年は、これまで世界最大のシェアを占めていた中国がマイニングを全面禁止したにも関わらず、大幅減少していたハッシュレートが急回復したことは想定を上回ったと記している。

中国大手マイナーの海外移転に関連して、米国におけるハッシュレートが大きく拡大したことを指摘。ケンブリッジ大学のデータを参照して、米国が世界のビットコインハッシュレートに占める割合について、2年前にわずか4%だったところ、現在は推定35%まで上昇したと続けた。

レポートは、「こうした世界分散化により、ビットコイン・ネットワークはより安全かつ堅牢になった」と指摘。以前までは世界のハッシュレートの75%が中国に集中していたため、「51%攻撃」など万が一のリスクも懸念されていた。

ハッシュレートとは

マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。

▶️仮想通貨用語集

クロスチェーンブリッジに注目

さらにレポートは、ステーブルコインの大量発行、分散型金融(DeFi)の成熟、NFT(非代替性トークン)の台頭などの、市場の発展が多くみられたことを振り返った。

その上で、DeFiに対する機関投資家の関心は、2022年も引き続き高まると予想。新たなテーマとして注目されているのが、分散型クロスチェーンブリッジの構築だと論じた。

クロスチェーンとは

規格・仕様の異なるブロックチェーン同士を跨ぐこと、及びそれらを接続する技術を指す。イーサリアムのスケーラビリティ問題を受け、様々なプラットフォームでクロスチェーン導入が進んでいる。処理速度の向上のため、高速なブロックチェーンとの連携で負担を軽減する方針だ。

▶️仮想通貨用語集

クロスチェーンブリッジについては、「サードパーティー(第三者)を必要とせずに、2つのチェーン間の取引を促進する試み」と定義しており、「異なるブロックチェーン間の相互接続性の向上」は、あらゆるデジタル資産と、そのユーザーがチェーンの垣根を越えて活動するために重要なものになると述べた。

DeFiに関しては、従来型フィンテック企業が、DeFiプロトコルを取り扱ったり、DeFiと相互接続する機能を構築したりすることも考えられるとしている。

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