CoinPostで今最も読まれています

金融市場反落、ビットコイン相場は昨日上昇分を打ち消す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界情勢と仮想通貨市況

10日の米株式市場は、NYダウが前日比112ドル(0.3%)安。前日大幅反発した日経平均株価も反落し、前日比500円を超える値下がりとなった。

トルコ大統領の仲介で戦争開始後初めて行われたロシアとウクライナの外相会談で特に進展が見られず。ウクライナ情勢が悪化の一途と辿る中、一向に事態の打開が見通せず失望売りへとつながった。

同日発表された22年2月のCPI(米消費者物価指数)は前年同月比7.9%上昇した。これは約40年ぶりの高水準であり、市場予想を上回ったことも重石となった。インフレ加速によりFRB(米連邦準備制度)が、断続的な金融引き締め策に傾倒せざるを得ないとの公算が強まっている。

中でもエネルギー価格の高騰が顕著だ。

コロナ禍からの経済活動再開需要もあり、米国内のガソリン価格は前年比+38%、天然ガス価格は前年比+23.8%上昇した。昨今では、欧米諸国によるロシアへの経済制裁の影響で原油価格が高騰しており、さらなるインフレと国民生活への影響が懸念される。

これに対し、Glassnodeの共同創業者であるRafael Schultze-Kraft氏は、供給量の限られるビットコイン(BTC)の年間インフレ率は「1.7%まで低下している」と指摘した。

将来的には、ビットコインのインフレ率はさらに低下することになる。約4年ごとに採掘報酬量が半減する「半減期」が訪れるためだ。2020年5月の半減期では、採掘報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減した。半減期前のビットコインのインフレ率は推定3.7〜3.8%だった。

関連:米経済学者、「インフレ率」から半減期後のビットコイン(BTC)価格を考察

BTC相場

11日のビットコイン価格は、前日比5.6%安の447万円(38,377ドル)。

BTC/USD日足

昨日は米株価指数反発に後押しされる形で上昇したほか、暗号資産に関する大統領令の内容が市場予想に反して融和的な内容であったことも好感された。しかし、42,500ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)で上値を重くして反落。

ウクライナとロシアの外相会談が不発に終わったこともあり投資家心理が冷え込んだ。金融市場全体の地合いは厳しい情勢が続いている。

ヘッジ需要の拡大

CoinSharesのデータによれば、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以来、ウクライナの暗号資産(仮想通貨)取引は107%増、自国通貨ルーブルの価値が暴落するロシアでは231%増となった。

法定通貨の下落に対するヘッジとして機能するなど、経済制裁逃れで使われている可能性も指摘される。

これは、ナイジェリア、トルコ、ブラジル、メキシコなど政情不安を抱える国々も同様だ。

また、Arcane Researchのレポートによれば、2022年以降の金(ゴールド)相場高騰に伴い、金の価値に裏付けられた「PAX Gold(PAXG)」などの時価総額も大幅に上昇している。PAXGは、年初来85%増の6億700万ドルに達した。

金相場はインフレヘッジの観点や地政学リスクの上昇などの観点から、およそ1年半ぶりの高値水準にある。

国内では今年2月、三井物産が金連動の仮想通貨「ジパングコイン(ZPG)」の発行を発表した。発行額に相当する金を三井物産が調達する現物裏付け型のトークンで、基盤システムには、bitFlyer Blockchainの「miyabi」が使われている。

関連:三井物産、金連動の仮想通貨を発行へ

信頼性と利便性の高い資産運用・インフレヘッジ手段を提供し、決算手段としての利用促進、個人投資家の選択肢拡充することが目的にある。

2月25日には、日本取引所グループ(JPX)が三井物産などが出資する株式会社デジタルアセットマーケッツに3.6億円の出資を行ったことを発表した。

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア