CoinPostで今最も読まれています

米経済学者、「インフレ率」から半減期後のビットコイン(BTC)価格を考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

インフレ率の観点からBTC半減期を議論

2020年5月頃に半減期を迎える予定のビットコイン(BTC)

史上3回目となる半減期の重要性と、それに伴う価格上昇の可能性を、経済学者のピーター・C・アール氏は論じている。アール氏はアメリカ経済研究所の経済学者であり、米NYのウォール街でトレーダー、アナリストとして活躍してきた経歴の持ち主だ。

アール氏はインフレーションの観点から半減期について説明し、ビットコインは半減期後、法定通貨などに対しても、競争力ある価値保存手段となる「経済学的に明確な理由」を持ち得ると主張する。

インフレ理論で見るビットコインの価値向上

アール氏の主張と論点は、以下の通りだ。

半減期を迎えるとビットコインの採掘報酬は、現在の12.5BTCから6.25BTCに低下する。

現在のビットコインの「インフレーション」の年率は3.7〜3.8%であると考えられる。(1日あたり平均144ブロックで、約1800の新たしいBTCが生成されることにより)。

一方、半減期後のインフレ率は現在の半分となり、年間約1.8%の割合と低下するとの試算だ。この割合は理論的には、米国連邦準備制度(FRB)の目標である年間インフレ率=2%よりも低い割合に。

FRBやその他各国政府の中央銀行は、インフレ率の目標を立てるが、達成には失敗している状況にある。それでも彼らは経済に直接流動性を供給する量的緩和など、ハイリスク・ハイリターンな政策を続けていると、アール氏は指摘している。

その一方で、ビットコインの供給量が限られていることは、インフレが購買力に与える影響を熟知している投資家やトレーダーにとって常に魅力的だった。ビットコインでは、供給量が定められ、その発生を予測可能で透明なプロトコルに準拠させるという点で、量的引き締めとして知られる金融政策に極めて近似したものになる。様々な中央銀行が行う、量的緩和とは反対の政策である。

ビットコインのインフレ率は、名目インフレ率と実質インフレ率(物価変動を加味したインフレ率)のいずれよりも低いため、その利用がますます投機的ではなくなっていく可能性が高いとしている。

この仕組みはビットコインの魅力を増し、価値の保存手段としての側面を強調、BTC価格の上昇傾向を引き起こす可能性もあると、アール氏は指摘した。

したがって、価格上昇へと繋がる可能性もあると論じた。

BTC採掘業者の動きにも注目

過去の2回の半減期の後では大幅な価格上昇が観測されたことから、今回の半減期にも期待する投資家や有識者は多く見られる。2012年の半減期後には、ビットコイン価格は年間8200%上昇、2016年の半減期後には、18カ月間で2200%を超える高騰につながった。

一方で、当時のとの相場環境の違い市場の成熟度、2018年以降の相場低迷を背景に、今回の半減期では以前のような急激な価格変動は繰り返さないと意見する識者もいる。

著名アナリストWilly Wo氏は、マイニング業者による売り圧に注目し、昨年11月時点で「下落トレンドに加え、マイナーも売却を続けているため、現在の状況は以前とはまったく異なる」との見解を示している。

参考:アール氏の論点

CoinPostの注目記事

ビットコイン(BTC)大幅続落、ブルは影をひそめる|仮想通貨市況
仮想通貨ビットコイン(BTC)は19日の短期天井シグナルから一旦レンジ相場へと移行したものの、保ち合いを下方ブレイク。アルト市場も全面安となるなど、短期下落トレンド転換を鮮明にしつつある。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア