CoinPostで今最も読まれています

アバランチDeFiでフラッシュローン攻撃、Nereus Financeに7,200万円の損失

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Nereus Financeでフラッシュローン被害

アバランチ上のDeFi(分散型金融)ステーキングプラットフォーム「Nereus Finance」は、6日にフラッシュローン攻撃を受けたことを発表した。

約7,200万円(50万ドル)相当の不良債権が生じたが、既にトレジャリーから損失を補填したという。

「フラッシュローン」とは、即時(同一署名)返済を条件に仮想通貨を無担保で借り入れる仕組み。スマートコントラクトでトランザクションが組まれ、瞬時に鞘取りを行う裁定取引などで使用される。反面、借り入れた多額の資金で市場価格を歪ませ、融資プラットフォームから不当に資金を抜き取るなど悪用されるケースも多い。

Nereusによると、直接の原因は新設されたばかりの「AVAX/USDC Trader Joe LPトークン」を担保に、Nereusの独自ステーブルコイン(NXUSD)を貸し出す金庫にある。価格計算に「時間加重平均」が考慮されてないため、操作に脆弱だった。

ブロックチェーン上の履歴によると、攻撃者はレンディングプロトコルAAVEからUSDCを借入れた。その後、分散型取引所Trader JoeでAVAX+USDCのLPを作成。一方でアバランチ(AVAX)を大量に購入し価格を吊り上げて売却する間に、NereusでNXUSDを借入れ、CurveでUSDCに交換した。

暗号資産(仮想通貨)セキュリティ企業CertiKの調査によると、攻撃者は裁定取引の結果、約5,300万円(37万ドル)相当の米ドル連動型ステーブルコインUSDCoin(USDC)の収益を得たと見られている。

Certikが検出

その後、37万ドル相当のUSDCはアバランチ・ブロックチェーンからイーサリアム(ETH)チェーンに移動。194 ETH(31万ドル)と15,800 DAI(1万5,800ドル)に交換され、攻撃者と同じアドレスのイーサリアム版に移された。

さらに攻撃者は180ETHを4つのアドレス(45ETHずつ)に分配。最終的にライトニングネットワーク上の取引所FixedFloatに移動しており、現金化したようだ。執筆時点に、該当するETHアドレスには約400万円(12ETHと15,800DAI)のみが残されている。

この攻撃は、CertiKのオンチェーンセキュリティソフトウェア「Skynet」によって検出された。

世界4大会計事務所のひとつKPMGは先日、仮想通貨市場への投資は今後よりインフラ分野に集中していくと予想。特に、コンプライアンスや取引のトレーサビリティに関連する製品への注目が高まっていると報告した。

関連:4大会計事務所KPMG「22年後半、仮想通貨投資額はさらに減少する見通し」

DeFi(分散型金融)市場が拡大・多様化する一方で、ハッキングによる資産の不正流出事例は後を絶たない。7月には、ソラナ(SOL)ネットワーク上の分散型取引所Crema Financeがフラッシュローン攻撃で約12億円(900万ドル)相当のトークンがプラットフォームから盗まれた。その後、バグバウンティ報酬として約2.3億円(170万ドル)をハッカーに支払う条件付きで資金を回収した。

関連:ソラナ上のDeFiプロトコル「Crema Finance」、盗まれた仮想通貨12億円相当を回収

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア