CoinPostで今最も読まれています

ナイジェリア、仮想通貨の合法化法案が可決間近か=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

投資・証券法の改正

アフリカ最大の人口と経済規模を誇るナイジェリアで、暗号資産(仮想通貨)が合法化される可能性が高まっている。

現地メディア「Punch」の報道によると、ナイジェリア下院の資本市場・機関委員会のBabangida Ibrahim委員長は14日、同国議会で2007年に施行された「投資・証券法」の改正法案が近く可決されると明らかにした。

改正法案が可決・成立すると、証券取引委員会(SEC)が仮想通貨をはじめ、関連するファンドを投資資金として認めることになる。また同法案は、仮想通貨に関するナイジェリア中央銀行(CBN)とSECの規制の役割も規定する。

Ibrahim委員長は、ナイジェリアには「効率的で活気のある資本市場」が必要であり、そのためには仮想通貨の導入を含む「最新のグローバルな慣行」を新法に取り入れることが重要だと述べた。

ナイジェリアでは昨年2月、CBNが国内の全金融機関に対し、仮想通貨取引関連の銀行口座サービス提供を禁止すると通告。仮想通貨取引所で取引している個人と事業体を特定し、直ちにその銀行口座を閉鎖するよう指示した経緯がある。

関連:ナイジェリア中央銀行、全金融機関に仮想通貨取引関連の銀行サービス禁止を指示

しかし、ナイジェリアの仮想通貨ユーザーのほとんどは銀行口座を持っておらず、「CBNの管轄」が及ばないことが判明したとIbrahim氏。仮想通貨は「違法ではないが、規制がない」ため、規制の導入が必須だとの結論に至ったという。

CBNは一貫して仮想通貨の取引を禁止する姿勢を貫いているが、仮想通貨業界だけではなく、同国の議員らもCBNの指示を強く批判していた。Ibrahim氏は、法案の目的はCBNによる銀行サービスの提供禁止を解除することではなく、ナイジェリアでは何が合法なのかの枠組みを示すことだと主張した。

関連:ナイジェリア中銀が発した仮想通貨関連の銀行口座閉鎖指示に議員らが反発

CBDCを正式導入

ナイジェリアは2021年10月、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)「eナイラ」を正式に導入。バハマのサンドドルに続き、CBDCを採用した世界で2番目の国となった。

関連:ナイジェリアがCBDC「eナイラ」を正式導入へ

Godwin Emefiele中銀総裁は「流通する現金の85%が銀行システムの外にある状況を放置し続けることはできない」と指摘。キャッシュレス化推進への強い意欲を示している。しかし、依然として現金が一般市民の決済手段の主流である同国では、eナイラの普及は進んでいないようだ。

CBNがさまざまなインセンティブを提供したのにもかかわらず、eナイラの利用率は0.5%以下だとみられている。

CBNは6日、eナイラの普及とキャッシュレス化を推進するため、銀行窓口やATMでの現金引き出しに制限を設けると発表。2023年1月9日から施行される新たな政策では、個人は1週あたり約3万円(10万ナイラ)、企業は約15万円(50万ナイラ)が引き出し上限で、ATMでの引き出し上限は1日あたり約6,000円(2万ナイラ)に設定されるという。

引き出しの上限を超えた場合、5%から10%の手数料が発生すると、CBNは通告した。

社会経済調査会社SBM IntelligenceのIkemesit Effiong調査部長は、このCBNの政策が最も「恩恵を受ける」ことを想定した層の人々を傷つけ、現金の貯蔵を促進すると主張。政府機関への信頼の欠如から、国民がeナイラをはじめとする当局の取り組みに背を向ける可能性があると指摘した。

P2P取引の普及

ナイジェリアでは政府の雇用政策の失敗から、若年層をはじめとする失業問題が深刻化。国民の多くが生計を立てるために仮想通貨分野と関わっており、仮想通貨の普及率は高い。

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスが9月に発表したレポートによると、ナイジェリアを含むサブサハラ・アフリカ地域では、P2P(ピアツーピア)取引の普及率が高い。同地域における全ての送金の95%が個人送金で、このうち約13万6,000円(1,000ドル)以下の小口送金は、全体の80%の割合を占め、世界で最も高い割合となっている。

関連:世界最高のP2P取引率を誇るアフリカ、金融包摂で仮想通貨利用が普及

同国では2020年10月、警察特殊部隊(SARS)による行き過ぎた暴力に対する抗議運動「EndSARS」が大きく広がったことを受け、CBNは寄付金を受け入れていた現地の決済プラットフォームの口座を閉鎖。この措置に対抗するため、抗議活動の主催者がビットコインによる寄付の受け付けを開始した。

一説には、これがきっかけでナイジェリアでビットコインに対する関心がさらに高まったとも言われている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア