はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

世界最高のP2P取引率を誇るアフリカ、金融包摂で仮想通貨利用が普及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

個人のP2P取引が活発

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスは29日、サブサハラ・アフリカ地域で暗号資産(仮想通貨)の個人利用に関するレポートを発表した。

サブサハラ・アフリカとは、サハラ砂漠よりも南のアフリカ諸国を指す。草の根レベルで仮想通貨利用率が活発化していると結論付けた。

チェイナリシスは特に、ナイジェリアやケニアで仮想通貨取引が盛んだと指摘した。両国とも、購買力と人口で加重平均した場合、P2P(ピアツーピア)取引の普及率が高かった。

チェイナリシスによると、サブサハラ・アフリカ地域が2021年7月から2022年6月の間に受け取ったオンチェーン仮想通貨送金額は約15兆円(1,006億ドル)に達し、前年比では16%の増加を記録。

割合で見ると、世界の仮想通貨取引の2%しか占めていないものの、日常的な仮想通貨利用が世界水準を上回るペースで進んでいると考察した。

チェイナリシスによると、サブサハラ・アフリカでは、約145万円(10,000ドル)以下の送金は取引量全体の6.4%を記録。これは世界の他のどの地域よりも高い割合だった。

また、同地域における全ての送金の95%が個人送金だったほか、このうち約14万5,000円(1,000ドル)以下の小口送金は、全体の80%の割合を占め、これも世界で最も高い割合だ。

P2Pとは

専用のサーバーを介せず、接続されたコンピューター同士がコミュニケーションするネットワーク形態のこと。P2Pの技術自体はファイル共有ソフトなどにおいて以前から使用されていたが、仮想通貨・ブロックチェーンの台頭により再度注目されている。

▶️仮想通貨用語集

貯蓄や商取引に利用

チェイナリシスは地元の人々にインタビューした結果、経済的機会の少ない状況を受けて、多くの若者が富を維持・構築する方法として仮想通貨を利用している傾向が伺えたと考察。

ナイジェリアのブロックチェーンコンサルティング企業Convexityの創設者であるAdedeji Owonibi氏は、次のように話した。

サブサハラアフリカには、機関投資家レベルの大口トレーダーはいない。市場を動かしているのは、小口取引だ。

ナイジェリアには高学歴の若者がたくさんいるが、失業率が高く、仕事がない。彼らにとって仮想通貨は救いだ。

仮想通貨は彼らが家族を養い、日々の経済的ニーズを解決する手段になっている。

ナイジェリアの法定通貨ナイラは価格変動が大きく、テザー(USDT)などステーブルコインで貯蓄を維持できると考える仮想通貨ユーザーが存在している形だ。

さらに、商取引でも仮想通貨が使われる例がある。

ナイジェリアでは厳しい資本規制が施行されており、海外送金が困難となっており、Owonibi氏は、海外のサプライヤーに頼る多くの企業が、支払いに仮想通貨を利用するようになったと説明。こうしたUSDTなどを使用した商取引の相手国としては、中国系企業も多いと述べた。

また、人気のP2PプラットフォームPaxfulのRay Youssef CEOはサブサハラ・アフリカ地域では、アフリカ諸国を横断する決済ソリューションがないと指摘する。

Youssef氏は、「アフリカには何千もの決済ネットワークがあるが、互いに連携しているのはそのうちのごく一部」であるために海外送金が高額になる傾向があると説明。ユーザーは、Paxfulなどのプラットフォームを介して仮想通貨を利用して送金することで、送金コストを大幅に下げられる場合があると語った。

また、ナイジェリア政府は2021年に銀行と仮想通貨事業者との取引を禁止した経緯もあるため、これらの要因がP2P取引の増加につながった模様だ。

関連Jelurida Africaがナイジェリアの仮想通貨サービス禁止令にコメント

アフリカ地域の課題

アフリカでブロックチェーン開発を目指す企業Jelurida AfricaのAdedayo Adebajo氏は、コインポストのインタビューで、アフリカ地域の課題として、開発者が不足していることや、金融包摂が必要とされることに触れた。

Adebajo氏は、「アフリカで銀行口座を保有できないことは、そもそも日々の食事を満足に摂れた上で銀行口座に預金する余裕がある人がどれだけ存在するのかということを意味している」と述べていた。

関連「アフリカの金融包摂に貢献し、必要なソリューションを提供する」|Jelurida Africaインタビュー

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/31 月曜日
17:51
SBI VCトレード、gumi株主向けにビットコイン1,600万円分を抽選配布キャンペーン
SBI VCトレードがgumi株主向けに総額1,600万円相当のビットコインを抽選配布する。口座開設とエントリーで参加可能な注目の株主優待キャンペーン。
15:07
イーロン・マスク、連邦政府DOGE省と仮想通貨ドージコインの関連性を否定
イーロン・マスク氏が米ウィスコンシン州のタウンホールミーティングで、トランプ政権の連邦政府効率化局(D.O.G.E)と暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)の間に関連性はないと明言した。今年2月のドージコインのマスコット表示で生じた市場の思惑は誤りだったことが改めて確認された。
14:10
メタプラネットがビットコイン購入へ 総額20億円の第10回普通社債を発行
株式会社メタプラネットは総額20億円の第10回普通社債を発行し、調達資金をビットコイン追加購入に充当。24日時点の保有量は3,350BTCとなり、積極的な買い増しを継続する方針だ。
13:03
米バンカメ「貿易戦争の資産逃避先ではゴールドが圧倒的優位」
バンク・オブ・アメリカのファンドマネージャー調査で、トランプ関税を背景とした貿易戦争時の避難資産として、金(ゴールド)が仮想通貨ビットコインより圧倒的に好まれていた。投資家の避難先として注目されているのが、パクソス社が発行するPAXG(Pax Gold)やテザー社が発行するXAUT(Tether Gold)、国内では三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行するジパングコイン(ZPG)がある。
11:16
仮想通貨市場など全面安 命運を左右するトランプ関税発表が4月2日に迫る
4月2日に迫るトランプ米大統領の関税発表が株やビットコイン(BTC)市場に大きな不確実性をもたらしている。著名投資家は今年最大の市場イベントと位置づけ3つのシナリオを提示した。一方、ピーター・ブラントはビットコイン(BTC)の65,600ドルへの下落リスクを警告している。
09:51
金融庁、仮想通貨のインサイダー取引規制導入か 「金融商品」に分類する法改正案提出へ=報道
日本経済新聞の報道によれば、金融庁が2026年を目途にビットコインなど仮想通貨を金融商品とする金商法改正案を提出予定。暗号資産(仮想通貨)のインサイダー取引規制も新設する見込み。
03/30 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米州政府や企業のBTC投資動向やリップル社のSECへの追加上訴撤回など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次市況:1300万円台で揉み合う展開と今後の見通し|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による週次分析。トランプ政権の相互関税懸念と米経済指標の動向を背景に、1300万円台で揉み合うビットコイン相場。現物ETFへの資金流入が続く中、今後の展望を詳細に解説
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ関税の影響分析に高い関心
今週はSBI VCトレードによるステーブルコインUSDCの取引開始、トランプ関税の影響分析、世界最大級のオンライン証券会社によるトランプ氏言及の仮想通貨4銘柄追加に関するニュースが最も関心を集めた。
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧