CoinPostで今最も読まれています

米財務省、仮想通貨収益で北朝鮮を支援した三人を制裁指定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

北朝鮮への送金を支援

米財務省の外国資産管理局(OFAC)は24日、不正に得た暗号資産(仮想通貨)の送金などで北朝鮮の資金調達を支援したとして、3人の個人を制裁対象に指定した。

ブライアン・ネルソン財務次官(テロ・金融情報担当)は、次のように声明を発表している。

北朝鮮は、国際金融システムにアクセスし、仮想通貨で収益を生み出すために不正なネットワークを利用しており、違法な大量破壊兵器・弾道ミサイル計画の支えとしている。このことは、国際的な安全保障を脅かすものだ。

三人の行為

制裁対象となったWu Huihuiは、中国を拠点とする、仮想通貨のOTC(店頭取引)トレーダー。OFACによると、北朝鮮がハッキング集団「ラザルス(Lazarus)」と連携して盗んだ仮想通貨の、法定通貨への交換を仲介していた。

米財務省OFACは、Wuに関連する複数のビットコイン(BTC)アドレスを特定している。

また、Cheng Hung Manは香港を拠点とするOTCトレーダーで、Wuと協力して北朝鮮のために働いていた。仮想通貨を受け取り、その代わりにフロント企業に送金していた形だ。北朝鮮関連の組織に金融システムの不正資金対策を回避させるため、フロント企業を利用していたことになる。

さらに三人目のSim Hyon Sopは、制裁指定されている北朝鮮関連の銀行で働き、北朝鮮のために数百万ドルの資金移動を行ってきたとされる。

OFACは、Simが保持していたイーサーリアム(ETH)、アービトラムのアドレス、バイナンスチェーン上のアドレスを特定した。

制裁措置により、これら三人の財産は米国で凍結される。米国人の所有または管理下にあるすべての財産が凍結され、OFACに報告される形だ。また、三人のそれぞれが直接または間接的に50%以上所有している事業体も凍結される。

外国資産管理局(OFAC)とは

英語でThe Office of Foreign Assets Controlで略称はOFAC。米財務省の所属機関。米国の対外・安全保障政策に基づいて、経済制裁の実施を司っている。

▶️仮想通貨用語集

一年で2,000億円超のハッキングか

OFACによると、北朝鮮は少なくとも2017年後半から、大量破壊兵器プログラムを展開する収入を得るために、仮想通貨での窃盗および詐欺を行ってきた。2022年だけで、ハッキングにより推定約2,300億円(17億ドル)相当の仮想通貨を盗んだと報告される。

2022年3月には、人気NFTゲームAxie Infinity(アクシーインフィニティ)専用のブロックチェーンから、800億円超が盗まれたことも記憶に新しい。米財務省は同年4月に、このハッキングに関与していたとして、ハッカー集団「ラザルス」のアドレスを制裁対象リストに加えている。

北朝鮮は、このように盗んだ仮想通貨を、OTC取引業者のネットワークを活用して法定通貨に交換している。

関連アクシーインフィニティの「Roninブリッジ」から奪われた仮想通貨、43億円相当が回収される

IT労働者も活用

OFACによると、北朝鮮は窃盗以外にも、IT技術者の労働力を活用した資金調達も行っているとされるところだ。

北朝鮮のために働くITセクター労働者は、通常、身分を偽って、海外企業の求人に応募する。雇用された場合には、その会社で行った仕事に対して、仮想通貨での支払いを要求。その給与の大半を北朝鮮に送金する格好である。

今回制裁指定されたSimも、北朝鮮の労働者が米国企業から得た報酬を送金する上で協力していた。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。
13:04
SBI VCトレード、ジパングコインの貸暗号資産で特別年率を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードがジパングコイン取扱いを開始し、貸コインで年率99%の特別キャンペーンを実施中。デジタルゴールドでインカムゲインを得る機会が期間限定で提供される。
13:00
米資産運用大手Vanguard、ビットコインETFに前向きな新CEO就任へ
バンガードは、ブラックロックでIBITの立ち上げを主導したラムジ氏を新CEOに指名。ビットコインETFに対する同社の姿勢が変化する可能性が注目される。
11:10
米ミレニアム、3000億円近くのビットコインETFを保有
米ヘッジファンド大手のミレニアム・マネジメントが第1四半期の時点で、20億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETFを保有していたことが確認された。他の複数のヘッジファンドも投資していたことがわかった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア