- ビットコインの上昇トレンドを見極めるインジケーター
- 2018年以降に低迷する仮想通貨市場だが、テクニカル分析における2つのインジケーター上では、DVANのストップラインとトレンドラインが交差するなど、相場転換の予兆を示すサインも点灯している。
- インジケーターとは
- 指標を示すインジケーターは、テクニカル分析に用いられる。チャートの動きを視覚的に表すことで、売買のタイミングを計るサインを確認できるため、相場の動きを分析しやすくなる。
注目すべき2つのテクニカル指標
2018年前半を振り返ると、仮想通貨市場にとって受難の年とも言えるほど、大幅な価格の低迷が続いています。
6月に年初来最安値を記録した際には、昨年12月の史上最高値と比較して実に70%を超える暴落となりました。 7月に入って価格は上昇したものの、依然として低い価格帯で停滞しており、大きなトレンドの転換には至っていません。
そのような状況にある中で、テクニカル分析における2つの指標からは、ビットコインの価格が上昇に転換する可能性を読み取ることが出来ます。
DVAN指標
1つは、Divergence Analysis社(DVAN)が開発した売買圧力の指標ですが、DVAN指標は、コインの価格、及びトレンドラインと最良の「出口」ポイントを、チャート化した独自の分析方法です。
このチャートは、対象となる商品(この場合ビットコイン)が「買われ過ぎ」か、「売られ過ぎ」かを分析するツールとして使うことができ、 トレンドが転換する前兆を分析するのに有効です。
このチャートによると、5月14日から始まった下げトレンドが、近々終わる可能性があることを示唆しています。
5月半ばから、下落を続けていたビットコインは6月に2度、6,000ドル(66万円)を割り込む場面があり、この期間に大量売却が起こり、BTCは売られすぎではないかとの指摘が専門家の間でなされていました。
チャートを見ると、7月6日にDVANのストップラインとトレンドラインが交差しています。
2つのラインが交差するのは、多くの場合は資産売却の過飽和状態を表し、それまでのトレンドが崩れ、価格が反転することに結びつきます。 歴史的に振り返ってデータを見ると、ストップラインとトレンドラインが交差する時、ビットコイン価格は多くの場合、その軌道を転換しています。
7月6日以前で、ストップラインとトレンドラインが交差したのは、4月13日です。時期をほぼ同じくして、ビットコイン価格は上昇トレンドに転換し、5月上旬まで価格は上がりました。
もし同じパターンを踏襲するとすれば、ビットコイン価格も近々上昇トレンドに転換する可能性があります。
ウイリアムズ%R指標
もう1つの指標は、ウィリアムズパーセントレンジ(ウィリアムズ%R)と呼ばれる指標で、直近の価格が、一定期間内の値幅の中で「買われ過ぎ」か「売られ過ぎ」かを測るために用いられるテクニカル指標です。
6月末のチャートは、ビットコインは売られ過ぎを表す「-80」を超えて、トレンド転換の可能性が見受けられましたが、実際に価格は上昇に反転しました。(-80から-100の範囲は売られ過ぎ、-20から 0は買われ過ぎを示す)
4月にビットコインが4%下落する前日、チャートでは、ウィリアムズ%Rが−20を超えて「買われ過ぎ」を示唆していました。 過去1年間で見るとビットコイン価格の動きを予測するのには、概ね正確な測定ツールだと言えます。
ただし、1つの指標だけで価格の予測をするのは不可能であることは周知の通りで、あくまでもトレンド変換の予測分析などの、ツールの一つとして、有効であるということです。
この2つの指標で見る限り、ビットコインは「売られ過ぎ」の状態にあり、価格上昇は時間の問題とも読み取れます。
仮想通貨市場の変化も大きく影響
ただし、ビットコインや仮想通貨を取り巻く環境は日々変化しており、規制当局の動きをはじめ、国際情勢や社会情勢、テクノロジーの進化など、多くの要素が複雑に絡み合い、価格に影響を与えているのが現状です。
直近では、分散型取引所Bancorのハッキング被害のニュースも、価格下落の引き金になったようです。
しかし、ビットコインや仮想通貨の長期的な展望に関しては、肯定的な潮流が勢いを増しているようにも見受けられます。 イギリスの名門、インペリアルカレッジロンドン大学の研究者は、「これから10年のうちに、仮想通貨がモノやサービスの支払い手段として主流になっていくだろう」という趣旨の論文を発表しています。
短期的なトレンドを認知すると同時に、長期的な視野を持つことが、価格変動の激しい仮想通貨投資の極意なのかもしれません。