はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインへの資金流入でテザーの乖離減少、米クラーケンでは1000倍の異常値

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザー、ビットコインへの資金流入で乖離減少
仮想通貨市場でのビットコイン高騰に伴い、米ドルに裏付けられたステーブルコイン「テザー(USDT)」からの資金流入が増加傾向にある。米取引所クラーケンでは、USDT/USDが1000ドルを付ける異常事態も観測された。

テザー(USDT)からの資金流入が増加傾向に

仮想通貨ビットコインの高騰に伴い、テザーからの資金流入が増加傾向にある。海外の仮想通貨データサイトcoinlibでマネーフローを確認すると一目瞭然だ。

5/13時点

4/17時点

相場に影響する問題も

4月26日、ステーブルコインのテザー(USDT)の裏付け資産、約950億円の不正利用が発覚。親会社iFinex社が米NY州の司法長官から裁判所命令を受けた事が確認され、ビットコインが前日比5%安の56万円に急落するなど、その影響は仮想通貨市場全体に波及した。

それからまもなく、当のBitfinex社とTether社が公式声明を発表。

当局の指摘を全面否定したほか、「USDT担保資産から資金を借り入れる形をとった理由は、Crypto Capitalの資産が政府に差押えられたことが要因であり、適切に管理されている。」「資産消失ではなく、Tether社は健全な財務体制を維持している。」などと真っ向から否定したこともあり、市場は落ち着きを取り戻しつつある。

米テザー社が発行するUSDTの裏付け資産を巡っては、4月30日にテザー社の顧問弁護士が、「全発行量の内、26%のテザー(USDT)は米ドルの裏付けがない(債権に裏付けられている可能性はある)」とする宣誓供述書が明らかになるなど、複数の見解が入り乱れている。

4月26日時点の新たなテザー問題発覚時は、ネガティブサプライズとして市場が動揺。テザー価格も連動して1USDT=0.9550ドルとなる乖離4%強まで急落するなどの現象が見られたが、その後のビットコイン高騰に伴い市場は落ち着きを取り戻し、問題視されていた「マイナス乖離」も縮小しつつある。(下図)

以前までBTC価格に対して正の相関を示していたテザー価格であったが、直近のBTC高騰に対しては逆相関を示して推移している。

先ほど掲載したマネーフローと合わせると、2018年までの下落トレンド時に避難先として使用されていたステーブルコインから、直近のビットコイン急騰で転換した市況を背景に、テザーからビットコインへの資金移動を示唆している。

なお、仮想通貨リサーチ企業Diarの調査によれば、仮想通貨市場全体の時価総額は、2018年から2019年にかけて1.64兆円増加。この内、米ドル基軸のステーブルコインは8%以上という高い割合を占めている。

出典:Diar

テザー(USDT)とは

2018年以降、米ドルに裏付けられたステーブルコイン「テザー(USDT)」を発行するTether社をめぐり、仮想通貨市場を度々揺るがしてきた。

テザーは基本的に「1USDT≒1USD」というほぼ等価の図式が崩れることはなく、1USDTに対して1USDがテザーの口座に担保されることで、その価値を維持してきたものだ。USDTの総発行量に対し、同量の準備金が銀行口座に担保されていなければならない。

しかし2018年1月には、発行されたテザーが準備金に裏付けられていない可能性があり、価格操作に疑いがあるとして、CFTC(米商品先物取引委員会)がテザー社に召喚状を送付したことが判明、同年2月に米上院が「公聴会」を開催するなど、以降も度々取り沙汰されている。

そのほかのステーブルコインが台頭しつつあるものの、様々な取引所でUSDT(USD Tether)が基軸通貨の1つとして採用されており、その影響は無視できない。

米クラーケンでUSDTが1,000ドルを記録

なお、直近の相場の急変動を受け、米大手取引所クラーケンで米ドル建てのUSDT/USDが1,000ドルを付ける異常事態が発生した。

それ以前のチャートは1USDT=1ドル付近で正常に動作しており、現時点では原因は明らかになっていない。

CoinPostの関連記事

騒動の渦中にあるテザー発行企業の最新動向、米NY州司法長官から「再通知」を受ける
Tether社に関する950億円相当の裏付け資金を投資家の許可無しでBitfinexに発行したことが問題視され、米NY州の司法長官から裁判所命令が発令されていた親会社iFinex。最新の動向を掲載。
弱気相場でも仮想通貨市場の時価総額は1年で1.6兆円増 USD基軸のステーブルコインが大きな要因か
仮想通貨リサーチ企業Diarは最新の報告で、仮想通貨市場全体の時価総額は、2018年から2019年にかけて仮想通貨のインフレや新トークンの発行により、約1兆6440億円増えたと公表。なお、米ドルを基軸にしたステーブルコインはその内8%以上の割合を占めている事が明らかとなった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/15 月曜日
17:41
分散型AIトークンのFET、 Binance Japanで取扱い開始【国内初】
Binance Japanが国内初となるFET(Artificial Superintelligence Alliance)の取扱いを開始。本記事ではASIアライアンスの概要、FETの用途、将来性、想定されるリスクを解説する。
16:45
なぜSBI新生銀行は投資家に選ばれる? 圧倒的優位性を持つ「SBI証券」との連携メリットを解説
SBI新生銀行が投資家に選ばれる理由は、SBI証券との圧倒的な連携メリットにあります。預り金自動スィープサービスで入金操作不要、年4.2%の高金利預金で待機資金を運用。IPO投資、NISA口座、資産一元管理まで、他の銀行では実現できない理想的な投資環境を徹底解説。
14:36
リップル決済、欧州初の銀行採用 スイスのAMINA銀行と提携
リップルがスイスのAMINA銀行と提携し、欧州初のリップル決済導入を実現。ブロックチェーンと従来の銀行システムを統合し、ほぼ即時の国際送金サービスを提供。両社の協力関係はステーブルコイン保管から決済へと拡大。
13:44
イーサリアム「フサカ」実装直後にPrysm障害、1.8億円の報酬損失が判明
イーサリアムの大型アップグレード「フサカ」実装直後、Prysmクライアントでバグが発生し382ETH(約1.8億円)の報酬機会が失われたことが判明し、ネットワークの堅牢性においてクライアント多様性の重要性が再確認された。
13:22
英国、2027年に仮想通貨規制を本格導入へ 政治献金も禁止方針
英国財務省が2027年施行予定の仮想通貨規制案を策定中。英国金融行動監視機構の監督下で取引所やウォレット企業に透明性基準を義務付け、消費者保護を強化。仮想通貨による政治献金も禁止へ。
10:50
ストラテジー、ナスダック100指数への残留決定 ビットコイン買い増しの意欲示す
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーのナスダック100指数への残留が決定した。セイラー会長はビットコイン追加購入への意欲を示唆している。
10:41
日銀30年ぶりの0.75%利上げ見込み 仮想通貨市場への影響は?
日本銀行が12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる方針。30年ぶりの高水準となる利上げが、円キャリートレード巻き戻しを通じてビットコインなど仮想通貨市場に与える影響を分析。米FRBのQT終了による影響緩和の可能性も解説。
10:10
2025年末までに済ませておきたい仮想通貨に関する税金と確定申告への準備|Gtax寄稿
仮想通貨の税金の仕組みと、年末までにできる節税対策を解説。損益圧縮やふるさと納税・iDeCoの活用法、確定申告に向けた取引履歴・経費の整理ポイントをまとめています。
08:50
米SEC、個人投資家向けの仮想通貨保管ガイドラインを提示 姿勢転換示すか
米証券取引委員会が個人投資家向けにビットコインなど仮想通貨を保管する方法に関して推奨事項を提示した。ウォレットの選び方やカストディアン選定の注意点を解説している。
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧