TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

プロが解説:ビットコイン現物取引とFX(レバレッジ)の戦略について

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

現物取引とFX取引の戦略

仮想通貨取引には、「現物取引」と、国内最大手bitFlyer Lightningに代表されるような「FX取引」というものが存在します。

仮想通貨を投資対象をしているという点では同じですが、それぞれ大きな違いがあります。またその違いによって取引手法も異なってくるため、ここでは両者の違いを説明し、その後取引戦略をどのように組み立てるべきかを初心者でも理解しやすいように解説したいと思います。

現物取引とFX取引の違いとは?

最初に、現物取引とFX取引はどのような点が異なるのか項目別に解説していきます。

実際に決済を行うのか?

最初のポイントは「売買が成立したあと決済を行うのか?」という点です。

現物取引はその名の通り、現物を売買しているため「仮想通貨の受け渡し」が発生します。一方でFX取引は実際にBTC/JPYをロング(BTCを購入しJPYを売却するということ)した後、特にBTCを送受金することはありません。

FX取引というのは「差金決済取引」になります。これは上記の取引を行ったと仮定して簡単な説明を行うと「実際にBTCを買ったものとして日本円の経済的価値の変動部分だけ両者で受け渡しを行う」ということです。

BTCが100万円の時に1BTCロングして、ロングポジションを決済する時に1BTC=200万円になっていた場合、1BTCを受け取ったり送金したりせず、日本円の変動部分(100万円がプラスとなっている部分)のみ相互に決済するということです。

つまりFX取引というのは、「実際に仮想通貨を保有しない」ということを覚えておきましょう。そのため、直接的なハッキングリスク等も考える必要はありません。

レバレッジ効果

次の異なる点は「レバレッジ効果」です。

現物取引では、実際に仮想通貨取引所に入金した資産のみを上限として売買を行うことができますが、資産価値以上のものは当然売買はできません。しかしFX取引では、現在日本で資産価値の4倍までのエクスポージャー(リスク)を取引することが可能となっています。

関連:金融庁、仮想通貨規制に係るパブコメ回答を公開 レバレッジ2倍規制等の重要内容

つまり、先ほど100万円で1BTC購入していましたが、FX取引では最大400万円分まで取引が可能ということです。しかしこれは言い換えると「価格変動の4倍のリスクを抱えている」ということと同義になります。

現物取引なら100万円が75万円になると、損失は▲25万円となりますが、レバレッジ4倍で取引を行うと▲100万円となるため入金していた100万円全てのお金がなくなってしまうということです。

FX取引は資産を効率的に運用できるという解説がありますが、実施は諸刃の剣でもあり、使い方を間違えると、あっという間に資産を溶かしてしまいます。

そのようなリスクをFX取引は内包しているとしっかり覚えておくようにしましょう。

ポジションを保有するコスト

最後の違いは、現物取引の場合ある意味「預金」のようなものでもあるため、仮想通貨を保有しておくことにコストは生じません。

しかしFX取引は100万円分ロングポジションを構築すると、その保有期間に応じて日々ポジション保有コストが生じます。これを「キャリーコスト」とも言われています。

このキャリーコストは長期間で考えるとかなり大きなコストになりかねないため、FX取引を行う際は注意しましょう。

現物取引とFX取引を取引する上での基本的戦略

まず、両者を取引する上で共通している大事なことがあります。それは「リスク管理」です。

これが理解できていれば、どのような相場でもどのような取引でも継続的に利益の出せるトレーダーになりますが、これが理解できていない限り知識をどれだけつけていても確実に負けてしまいます。まずはその点をしっかりと理解しておいてください。

この両者の取引を行う上で考えるべき大事なことは「取引の時間軸」と「投資対象通貨のボラティリティ(値動きの幅)」、そして「目標リターン」です。この3つはトレードをする上で最初に決めるもので自身でイメージだけでもしておきましょう。

取引の時間軸

戦略を決めるために大事な一番のポイントは「取引の時間軸」です。

これが短期的にリターンを出したいと言うことであれば現物取引で行うと期待リターンに届かない可能性は大きくなります。その時の値動きが通常よりも出ていれば例外ですが、平均的な値幅に収まっていれば難しいため、FX取引を選択することになるでしょう。

短期で20%リターンを出したいのか、1年で20%のリターンを出したいのかでリスクの取り方が変わると考えるとイメージが湧きやすいと思います。

例えば、目標リターンが20%で期間は1年と考えると、FX取引は利用しなくてもいいでしょう。最初FX取引と現物取引との違いで「ポジション保有コスト」を解説したと思います。これは長期で20%程度であれば仮想通貨は当たり前のように動くため、無駄にコストを払いながらポジションを1年も保有するメリットはありません。

現物を保有するだけでも十分に達成できるリターンになるので、このような中長期的な投資として仮想通貨を利用する場合はFX取引は利用しないほうが懸命でしょう。

利用すべき場面

では、FX取引はどのような場面で利用するか説明します。

例えば、1週間で20%のリターンをあげたいと決めるとしましょう。ビットコインに投資するものとして、ビットコインの値幅が1日2%程度だったとします。つまり7日連続で同じ方向に同じ値幅動いたとしても14%しか動かないことになるため、現物で仮想通貨を保有したとしても到底達成できないリターンとなります。

そのため、このような場合はFX取引でレバレッジ効果を利用すべきと判断できます。

仮にレバレッジを3倍とすると、1日2%動いたときに生じる資産の変化率は2%×3の6%になります。つまり7日間のうち4日間でも同じ方向に動けば20%の変動は達成するということです。当然上下に動くこともあるので一概にこのような結果になるかはわかりませんが、この変化率と目標リターンを照らし合わせてながら、レバレッジは利用するものという意味で覚えてください。

総括

最後にお伝えしたいことを記載します。

それは「FX取引で資産はどんどん増えない」ということです。むしろ(ゼロサムゲームと呼ばれることもある)FX取引の世界では、9割程度の投資家が損失を被っているとされており、誰もが勝てるマーケットではありません。また、リスクを現物以上に取っていることから評価損益の動きに心理的な負担が生じて、ちゃんとしたトレードが出来なくなり、無駄な損失を被るトレーダーを数多く見てきました。

みなさんは「FX取引のご利用は計画的に」ということを意識して利用するようにしましょう。

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧