
BTC準備金の試験的導入を提案
インド与党バーラティーヤ・ジャナタ党(BJP)の報道官であるプラディープ・バンダリ氏は26日、ビットコイン(BTC)準備金の試験的な導入を提唱した。また、ビットコインのポテンシャルを解き放つような明確な政策方針が必要だとも述べている。
バンダリ氏は、INDIA TODAYに「個人的な見解」として記事を寄稿しており、党全体の意見を代表するものではない。同氏は次のように論じた。
インドは今、極めて重要な局面を迎えている。慎重なビットコイン戦略、例えば準備金の試験運用などは、経済の柔軟性を強化し、近代化を推進する可能性がある。
ビットコインについて米国が前進し、ブータンのような国々も適合していく中で、インドには主導権を握るまたとない機会がある。
また、インドで暗号資産(仮想通貨)は課税はされているものの、明確な規制がないことも課題として挙げた。インドでは、所得税法に基づき、仮想通貨の売却益に30%の税率が課せられている。
バンダリ氏は、ゴールド(金)の希少性とデジタルの流動性を兼ね備えているため、ビットコインが「デジタルゴールド」と呼ばれていると指摘。ブロックチェーン技術により改ざん不可能であり、2,100万枚という供給上限があるとも述べた。
デジタルゴールドとは
ビットコインにつけられている別称。ビットコインは2,100万BTCという発行上限が設定されており希少性があること、従来型資産に対するインフレヘッジとして購入する投資家がいることなどから、金(ゴールド)と類似したものとして捉える名称だ。
米国をはじめとする国も、ビットコインのこうした性質を背景として、導入を始めているとしている。
具体的には、トランプ政権が押収した20万ビットコインを備蓄することを決めたことや、将来的に予算中立的な方法でビットコインを購入する可能性も開かれていることなどに言及した。
特にトランプ政権がビットコイン準備金を設立したことを受けて、日本も含め各国で、自国もビットコイン備蓄を開始するべきだと唱える議員が登場しているところだ。
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ビットコイン採掘の可能性にも言及
バンダリ氏は、アジアの小国であるブータンも2021年から水力発電でビットコインを採掘し、これまでに10億ドル(約1,440億円)以上のビットコインを蓄積しているとも指摘。インドも同様のことができるとして、次のように意見した。
再生可能エネルギーの能力を持つインドは、ブータンのようなビットコイン採掘モデルを導入する十分な能力を備えている。ただ、そのためには国の規模や規制が課題になる。
ブータンの成功は、デジタル資産が経済を安定させる可能性を示唆しており、これは検討に値する点だ。
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