
一時11万3000ドル割れ
仮想通貨市場は2日、ドナルド・トランプ大統領の相互関税発表や雇用統計データを受けて大幅下落した。ビットコイン(BTC)は3%安の112,825ドル、イーサリアム(ETH)とXRPはそれぞれ約7%、3%下落している。
トランプ大統領が1日に数十カ国に対し10%から41%の新関税を発表したことで、リスクオフの投資心理が広がった。インフレ懸念とFRBの利下げ能力に対する不安が、投機的資産からの資金流出を加速させている。
また、米労働省は8月1日夜発表した雇用統計で、景気を敏感に示す農業分野以外の就業者の増加数を、5月および6月の発表から大幅に下方修正した。トランプ大統領は雇用データを受け、「重大な誤りだ」と批判し労働省の担当局長を即刻解雇するよう命じたことが報じられた。
アナリスト分析
米CNBCの報道によると、仮想通貨リサーチプラットフォームDYORのベン・カーランドCEOは「7月の急騰後の健全な戦略的クールダウン」と分析した。「市場は危機に反応しているのではなく、危機がないことに反応している」と述べ、計算された相場の一時停滞と評価している。
また、Bitcoin Vectorの価格分析によると、ビットコインは114,000ドルのサポートラインをテストしている。リスクオシレーターは数週間フラット(リスクオフ)で、5月以降の100日間低リスク状況が続いていることを示した。

また、リスクオシレーターの安定性が鍵となっているとし、2020年10月から2021年4月に197日間リスクオフシグナルがゼロを維持する間、ビットコインが4倍以上の歴史的上昇を記録した事例を挙げた。現在はその半分の期間に到達しており、高リスクエリアへの転換がない限りモメンタム再燃を待つ段階にあるとしている。

さらに、Matrixportは先週、ビットコインが122,000ドルのレジスタンスに達したと指摘し、夏季の市場停滞を予測した。
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