はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

週明けから急落のビットコイン、相場復調の前提条件は?|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は続落の見通し。7日正午時点で、1560万円周辺での推移となっている。

AIバブル崩壊や景気後退懸念から週明けのBTCは米株先物の下落に連れて1700万円から1650万円に下落。この日発表されたISMの製造業PMIも弱く、米国市場では1650万円を割り込んだ。

売り一巡後には1650万円に戻すも、バランサーから不正流出した複数のアルトコインがイーサ(ETH)にスワップされていると伝わると、4日東京時間に1600万円まで一段安を演じた。

さらにその日の米国時間には、再びAIバブル崩壊懸念からハイテク株主導でリスクオフムードになると、複数の大手米銀CEOから株価のさらなる調整を警告する発言があり、BTCは1550万円周辺まで下値を広げた。

一方、これによりドル建てBTC価格が大台の10万ドルを割り込むと、安値拾いで下げ止まり、強めのADP雇用レポートとISMの非製造業PMIを背景とした景気後退懸念の緩和によって、米株の反発に連れてBTCも1600万円周辺まで回復した。

ただ、6日は特段の材料もなく小緩む展開で始まると、今度はチャレンジャー人員削減数が大幅に市場予想を上回る結果となり、三度景気への懸念からBTCは下落し、前日の上げ幅を掻き消した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

先週末は復調の兆しを見せたBTCだったが、今週は週明けから急落する形となった。今週発表された米国の民間の経済指標は、全体的にまちまちな内容となったが、相場は景気の改善で上昇、悪化で下落となっており、FRBの追加利下げの有無よりも市場が米経済の先行きを注視している様子が窺えた。

本来であれば、今週は雇用統計ウィークで、来週はCPIウィークとなる筈だったが、米政府機関の一部閉鎖によって公的機関からの指標の発表は凍結される見通しだ。

9月のCPIは、閉鎖前に集計処理が終わっていたことから特別に先月末に発表されたが、10月からは集計ができていない可能性があるため、発表は見送られる可能性が高いとホワイトハウスが声明を出している。

そうなると、7日の米ミシガン大学調査以降、来週は目星い材料が視界に入ってこない。BTC相場復調の前提条件としては、米主要株価指数の復調とETFフローの改善の2点が挙げられるが、達成されるには厳しい条件と指摘される。米株の反動高も狙えるが、持続性にはあまり期待できないだろう。

仮に相場が5日の戻り高値を回復できれば、テクニカル的な買いが続く可能性もあるが、4日の下げ幅を奪回できれば、現状では上出来と言えよう。

尤も、BTCは短期的な下値余地も限定的となる可能性も指摘される。BTCの平均保有日数が155日以下の短期筋(Short-Term Holder、STH)は、6日の時点でその97%が含み損となっている(第2図)。

このSTH損失レシオ(割合)オシレーターは、95%を超えると上昇トレンド中の押し目、下落トレンド中の売られ過ぎのシグナルとして機能しやすい。

「損失を抱える市場参加者が多いと売りが止まる」というのはある意味反直感的かもしれないが、相場が高値から下落してきている過程でBTCを買った市場参加者は、売り手よりも損失の許容レベルが高いといえ、下値で買い手が出てくれば売り圧力が解消されていくという整理ができる。

【第2図:BTC対ドルとSTH損失オシレーター(日次)】
出所:Glassnodeより作成

ただ、相場の反発後にも継続的に買いが続かなければ、レシオの効果はあくまで短期的だ。相場が水準を戻し、レシオが低下すれば、今度は利食いや損切りの余地が生まれる点に注意しておきたい。

下落トレンドにおいては、レシオの低下後に相場が直近安値を切り下げ、再びレシオが90%〜95%に上昇するまで相場は下値を広げる傾向にある。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

WebX アンケートご協力のお願い
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/09 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルの770億円調達やジーキャッシュ高騰の背景分析など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
週明けから急落のビットコイン、相場復調の前提条件は?|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場は続落の見通し。AIバブル崩壊や景気後退懸念から1560万円周辺まで下落。ただし短期筋の97%が含み損となっており、下値余地は限定的との指摘も。bitbankアナリストが今後の展望を解説。
11:00
週刊ニュース|金融庁の仮想通貨ETF関連デリバティブ国内提供への見解に高い関心
今週は、暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供に対する金融庁の見解、ビットコインの10万ドル割れ、仮想通貨の最新市場分析に関する記事が関心を集めた。
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧