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ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今後の配当や準備金戦略を語る

ビットコイン(BTC)を最も多く保有する上場企業ストラテジーのフォン・レCEOは市場が低迷する中、今後の戦略を話した。同社の目標は、株主に配当を支払い続けることだとしている。ブルームバーグ・クリプトが3日にインタビューを公開した。

ストラテジーは1日、優先株の配当と負債の利子の支払いのために、14.4億ドル(約2,240億円)の米ドル準備金を確保したと発表している。これまで暗号資産(仮想通貨)ビットコイン購入のために転換社債などを発行してきたが、こうした増資に関する支払いに使用される。

レ氏は、同社の長期戦略はビットコインを買い続けて保有し続けることであり、ビットコインが一番の財務資産だとしつつ、次のように説明した。

一方、優先株の配当など短期的なドル建ての支払い義務がある。私たちは「ビットコイン利回り」を増やしたいし、当社の株式価値が低迷している時期に無理にビットコインを売却したくはない。

そこで長期は世界のデジタル準備資産であるビットコイン、短期は世界の準備通貨である米ドルを確保する「完全無欠のバランスシート」を考えた。

ドル準備金は、必要に応じて配当支払いに充てるためのものであり、これまで以上に強固な財務体質になったと考えると続けた。ビットコインを手放さずに配当を支払う手段となる。

関連:ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保 ビットコイン購入増資の配当や利子の支払いに使用

また、配当にこだわる理由については、配当停止が投資家に疑念を生み、株式価値に悪影響を及ぼすことを挙げた。「絶対に配当が止まることはない」とは言えないものの、配当を支払い続けることを目標としていると話す。

米ドル準備金は株式売却を財源としており、21か月分(2年弱)の配当支払いを可能にするものだ。米ドル準備金による配当への充当は最長2年間延長可能となる見込みである。レ氏は、配当の2~3年分に相当する現金準備は今後5~10年は維持するように努めたいとも述べた。

レ氏は先日、「ビットコイン売却は最後の手段」だとも語っていた。同社の株価が保有ビットコイン価値を下回ること、新規の資金調達が不可能になることを条件として挙げている。

レンディング参入の可能性も

レ氏は、保有するビットコインのレンディングは現在行っていないものの、信頼性の高い大手銀行が本格的にレンディングなどのサービスを始めた場合には積極的に検討したいともコメントした。実現した場合は、保有ビットコインから生み出される収益が増えることになる。

主要株価指数プロバイダーMSCIは10月、仮想通貨が総資産の50%以上を占める企業を指数から除外する方針を協議中だと発表した。もしこの方針が実行された場合、ストラテジーへのパッシブな資金流入も停止することになる。

レ氏はこの問題については、石油やゴールドなど特定の資産を50%超保有している企業は他にもたくさんある中、なぜビットコインを保有する企業だけが除外とされるのかと疑問を投げかけた。

関連:マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」

ストラテジーの株価は10月以降の仮想通貨市場下落を背景に、年初来で約40%下落しているところだ。また、同社の純資産倍率(mNAV)は2024年には2.5倍だったが、現在1.16倍から1.2倍で推移している。

mNAVとは

企業の時価総額をビットコイン保有額で割った指標のこと。この数値が1を下回ると、企業価値が保有資産を下回ることになる。

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