Holesky上で実装完了
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンに関する次期アップグレード「Dencun」について7日夜に、最終テストネット「Holesky」上での起動が成功裏に完了した。
We have blobs on Holesky!
— ethPandaOps (@ethPandaOps) February 7, 2024
Another un-eventful testnet fork for the books 🙂 pic.twitter.com/uuvrkqJaAI
3つのテスト環境での実装が全て成功したため、イーサリアムのコア開発チームは2月8日(米国時間)のオンライン会議で、メインネット上でのアップグレード実施日を決定する。
事前予測によると、このメインネットでの起動日は2月末から2024年3月初旬に設定される見込みだ。
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Dencunの注目点
Dencunアップグレードの注目点は、EIP-4844により、プロトダンクシャーディングが導入され、ロールアップ技術の通信効率が向上する点。従来、ロールアップはイーサリアムに生データを「calldata」として保存していたが、この改善により、「ブロブ」という形式でデータを一時的に格納できるようになる。これはデータを分割して効率的に保管し、コストを削減しながら、データの可用性を維持する。
データの可用性とは
ネットワークのすべての参加者がデータにアクセスし、その正確性について検証できるように、一定期間データを保持するプロセスのこと。ロールアップにとっては、誠実な参加者が状態を構築し、その正確性を検証するのに十分なデータが一時的に利用可能であることが重要である。
▶️仮想通貨用語集
イーサリアムは手数料に対する批判に直面しているが、Dencunアップグレードで導入されるデータブロブの概念は、これらの問題に対処し、克服することを目指している。
メインネットでのアップグレードが成功すれば、特にレイヤー2のロールアップチェーンにとって有利とされる。米Coinbaseの23年末のレポートによると、プロト・ダンクシャーディングにより、オプティミズム(OP)やアービトラム(ARB)などのL2スケーリングソリューションの取引手数料を2-10倍低減すると試算される。
市場動向に目を向けると、ビットコイン(BTC)が前日比3%上昇した一方で、イーサリアムの価格は2.2%の増加に留まった(執筆時点)。一方、レイヤー2の銘柄は前週比で約10%の上昇を記録し、好調を維持している。
イーサリアムL2主要銘柄 上昇率上位(前週比)
銘柄 | 前日比 | 前週比 |
---|---|---|
Polygon (MATIC) | 3.50% | 5.90% |
Optimism (OP) | 1.40% | 15.60% |
Immutable (IMX) | 5.60% | 20.30% |
Arbitrum (ARB) | 3.50% | 7.30% |
1月初旬には、Dencunアップグレードへの期待から、レイヤー2ネットワークの活動量を表す指標「TVL」と「取引量」が急増していた。
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