仮想通貨の弁済開始
2023年に破産申請した暗号資産(仮想通貨)融資企業ジェネシス・グローバル・キャピタルと関連企業(以下まとめて「ジェネシス」)は2日、再建処理が同日に完了したことを発表した。
それによって、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づき、およそ40億ドル(5,860億円)相当の仮想通貨と米ドルを債権者に弁済し始めたと説明。最初の弁済の一部として、債権者は平均64%の資産を現物で回復できるとした。
チャプターイレブンとは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
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こういった弁済は、相場の売り圧になる可能性があるため、投資家から警戒される。「平均」とジェネシスが説明しているのは、仮想通貨の銘柄によって回復率が異なるため。プレスリリースに掲載されている回復率は以下の通りである。
- ビットコイン:51.28%
- イーサリアム:65.87%
- ソラナ:29.58%
- ステーブルコイン(米ドル含む):100%(ドルで弁済)
- 他のアルトコイン:平均87.65%
また、債権者は最初の弁済以降も、継続中の債権調停やサードパーティに対する契約上の権利、訴訟結果に応じて、資産をさらに回復することができるとジェネシスは説明した。
なお、今回の再建計画は他の多くの破産と異なり、申立日時点の価額を全て弁済することは目指さないとしている。
ジェネシスの動向
ジェネシスがチャプターイレブンに基づいた破産申請を行ったのは23年1月。この時に公開された申請書類によると、債権者数は10万、推定負債は10億ドル(現レート1,460億円)で〜100億ドルで、保有資産も同程度だった。
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最近の動向としては先月13日に、関連企業のジェネシス・トレーディングにリンクするウォレットが、コインベースに1万2,600BTC(当時のレートで1,200億円相当)を送金し、売却していたことが判明した。
この入金と売却は、ユーザーに資産を弁済するためのものとされている。