*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(12/12AM7時)
暗号資産(仮想通貨)市場は、米消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想に一致したことを受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げに踏み切る可能性が高まったとの見方が強まる中、回復基調を見せた。
また、アラバマ州監査官のアンドリュー・ソレル氏が戦略的ビットコイン準備金(SBR)の設立を提案したことも市場を支える要因となった。これらの動きを背景に、ビットコイン価格は5日ぶりに10万ドルの大台を回復。執筆時点で価格は10万1千ドル付近で推移。
12月11~12日相場状況
週初、ビットコインは9万5千ドルを2度割り込む弱含みの展開を見せていたがが、米消費者物価指数(CPI)の発表後、反転して強い上昇基調に転じた。現物市場・デリバティブ市場ともに資金流入が活発化し、様子見からリスクオンへの変化が見られる(下画像青枠)。米金融政策を予想する「フェドウオッチ」によれば、FOMCでの0.25%利下げ確率は、12月11日時点で80%台後半から12日には90%台半ばへと大幅に上昇。この期待が市場をさらに押し上げる要因となった。
現状分析(12/12日AM7時)
オプション市場に目を向けると好転の兆しが見受けられる。プットコールレシオ(PCR)がこれまでの上昇基調から一転して低下し(下画像黄矢印)、投資家心理が改善していることを示唆した。また、10万ドルから12万ドルの価格帯におけるオプションの建玉が増加しており(下画像赤枠)、最大建玉価格は12万ドルとなっている。
この動きは、投資家がさらなる上昇を強く意識していることを示している。特に注目すべきは12月27日限のビットコイン11万ドルのストライクで、28.18%へ上昇した。このことは、市場全体が上昇トレンドへの期待を強めていることを表した。
今後の重要な経済指標
19日に発表されるFOMCで利下げが行われるとの観測が強まっている。仮に利下げが行われないと、市場心理は大きく悪化すると見受けられる。
- 12/16日 米PMI(購買担当者景気指数・速報値)
- 12/17日 米小売売上高 11月
- 12/19日 米FRB政策金利(FOMC)
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