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「CryptoKitties」や「NBA TopShot」の基盤ブロックチェーン「Flow」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

エンタメ向けチェーン

「Flow」は、NFT市場を牽引するDapper Labsが独自に開発した、エンターテインメント特化型のブロックチェーンだ。

Dapper Labsがリリースしたゲーム「CryptoKitties」が大ヒットする中、イーサリアムブロックチェーン基盤のトランザクション詰まりや取引手数料のガス代高騰など、スケーラビリティ(拡張性)の課題に直面してきたという経緯があった。

そうした中、Flowブロックチェーンはスケーラビリティ問題を解消し、取引手数料を気にすることなくdApps(分散型アプリ)を使えるように開発されている。

スケーラビリティ問題とは

スケーラビリティー問題とは、取引処理が遅延してしまうような「拡張性」の問題を指す。

仮想通貨用語集

Flowの仕組み

出典:Flow

Flowでは、ブロック承認プロセスを「収集、コンセンサス、検証、実行」の4つに分割し、それぞれのプロセスを各ノードとバリデータが分散処理することで高速化を実現した。

従来のシャーディングやレイヤー2ソリューションでは、実行環境からACID(Atomic, Consistent, Isolated, and Durable)保証を取り除くことで、dAppsやスマートコントラクトのコンポーザビリティを壊し、ネットワーク効果を低下させるという効率性の難点があった。

しかしFlowでは、すべてのアプリがプラットフォームになり得るよう設計されている。Flow上のスマートコントラクトとユーザーアカウントは、常に1つのACIDトランザクションで相互のやりとりができるようにすることで、開発者にとってFlow上のアプリを容易に構築することが可能となった。

NFT市場の先駆的サービス

2018年に創設されたDapper Labsは、ブロックチェーン技術を駆使して、世界中に新しい形のデジタルエンゲージメントをもたらすことを目指している。

代表例としては、ユーザー数10万を誇るブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」や「NBA TopShot」、また「Dapperウォレット」などがFlowブロックチェーン上で提供されている。

他にもDapper Labsでは、NFTとブロックチェーン技術を用いた新たなデジタルコンテンツの創造に向け、ワーナー・ミュージック、サムスン電子、Ubisoft株式会社、総合格闘技のUFCを始めとした、多くの大手エンターテイメント企業とパートナーシップを締結している。

出典:Flow

Flowエコシステム

Flowブロックチェーンが提供するエコシステム上には、執筆時点で180万以上のウォレットアカウントが開設されており、イーサリアムの対抗馬として急成長中だ。

ゲーム分野では、既に有名な「CryptoKitties」だけでなく、MMORPGの「Chainmonsters」などが遊べるようになっているほか、NFTカード収集関連も「NBA TopShot」を始め、サッカーの「Fantastec Swap」、オリンピックの「nWayPlay」、そしてUFCコレクションも今後登場予定となっており、ラインナップがより充実しつつある。

関連:Animoca Brands、Flowブロックチェーンを最新レーシングゲームMotoGP™とStar Girlに採用

出典:Chainmonsters

大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaやRaribleでも、Flowのサポートを順次開始予定だ。Flowエコシステムの一覧は、Flowverse(フローバース)で確認できるようになっている。

独自ステーブルコイン「FUSD」

Dapper Labsは、独自コインの「FUSD(Flow USD)」を21年6月にローンチしている。このコインは米ドルを裏付け資産とし、Flowブロックチェーン上で発行される仮想通貨だ。FUSDは米ドルに対して1:1で担保されるステーブルコインで、仮想通貨を持たないユーザーでも、米ドルのみでFlowエコシステムへのアクセスを可能にしている。

関連:NBA Top ShotのDapper Labs、独自ステーブルコインを発表

FUSDにより、Flow上のdAppsを使用するユーザー層の拡大が見込まれている。それと同時に仮想通貨と法定通貨間の摩擦を最小限に抑え、NBA Top Shotと同様の使いやすさを提供することで、利便性も向上させることがDapper Labsの狙いだ。

ステーブルコインとは

ステーブルコインとは、価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。

仮想通貨用語集

提携と資金調達

9月14日、Dapper LabsはNFT(非代替性トークン)などのWeb3.0分野を推進する目的のもと、Googleとの提携を発表。この提携により、グーグルクラウドがDapper LabsのFlowネットワークオペレーターとなり、スケーリングのインフラをFlowに提供することになった。

関連:米グーグル、NFT関連企業Dapper Labsと提携=報道

またDapper Labsは、今月23日に資金調達ラウンドで新たに2.5億ドル(約270億円)を調達し、時価総額が76億米ドル(約8,400億円)に達したことを明らかにしたばかりだ。今年3月にも3億570万ドル(約336億円)を資金調達したことを発表している。

関連:NFT関連企業Dapper Labs、Coatue Venturesやa16zなどから270億円調達

関連:NFT市場けん引のDapper Labsなど、仮想通貨企業への大型出資が21年1Qで加速

Flowのグローバルイベント

なお、Dapper Labsでは「FLIP Fest」と呼ばれるハッカソンを開催中(9月15日〜10月30日)だ。FLIPは、Flow Improvement Proposal(フロー改善提案)の略で、Flowブロックチェーンの改善点を議論し、実行するためのコミュニティ主導の取り組みとなっている。

50万米ドル(約5,500万円)の賞金総額がFLOWトークンとして配布され、11月15日に当選者が発表される予定だ。

同様に、NFT関連のハッカソンとして「Mercury Hackathon」(9月20日〜10月31日)をFilecoinと共同で開催しており、賞金総額12万米ドル(約1,300万円)分のFLOWトークンおよびFileコイン(FIL)が勝者へと支払われることになっている。

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