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FTXの「規制独占」戦略、全容解明求める意見書が4千件集まる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CryptoLawに意見書殺到

CryptoLawは15日、経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXと米証券取引委員会(SEC)の関係調査を要求する意見書が米国居住者から約4,000件届いたことを発表した。

Crypto Lawは、XRP(リップル)コミュニティを代理する弁護士John Deaton氏が21年に立ち上げたデジタル資産の法律・規制ニュースサイト。

米国民は主に、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長とFTXのサム・バンクマン=フリード元CEOが22年3月29日の直接の会合で何を話し合ったのか、調査するよう求めている。

確認されたEメールの履歴によると、両名とFTXが買収したIEXの幹部は「ノーアクションレリーフ」について議論したとされる。

ノーアクションレリーフとは、SEC登録者の行為が規制のグレー領域に触れる可能性がある場合、または技術的に禁止される可能性がある場合において、登録者が一定の保証を得ることを可能にする制度を指す。CryptoLawが公開した請願書は以下のように述べている。

ゲンスラーがサム・バンクマン=フリードと、140億ドルのFTX 崩壊前に会ったことを証明する証拠が出てきた。議会のメンバーは、ゲンスラーがバンクマン=フリードと協力して、SECの間近で大規模な詐欺が行われている間、FTXに規制のフリーパスを与えるために働いていたことを知らされている。

なお、14日の報道でSECが3月にFTXへのノーアクションレター発行を拒否したことが明らかになっている。会議メモによると、SECと2社は、ノーアクションレターの他に「デジタル資産証券の保管に関連するリスクを含む、特別目的ブローカーディーラーによるデジタル資産証券の保管」についても議論していたとされる。

9日にロイター通信は、数か月前からSECが、FTXの顧客資産の取扱いとレンディング状況の実態調査を続けてきたと、匿名情報筋に基づいて報じていた。

関連:米SEC、3月にFTXへのノーアクションレター発行を拒否

規制の独占

問題のポイントは、ゲンスラーがFTXによる詐欺を阻止出来なかった原因を追及することだけではない。米国の仮想通貨市場で規制上の承認を与えることで、FTXの影響力拡大の片棒を担いできたように見えることにある。

疑念の矛先は、ゲンスラー氏が所属する民主党、及びバイデン政権全体に向けられている。非営利団体OpenSecretsによると、中間選挙に向けてFTXは2022年に民主党に対して54億円(3,900万ドル)を寄付した。この額はジョージ・ソロス氏に次ぐ2番目の規模である。

野党である共和党に所属するTom Emmer下院議員もまた、「規制の独占」を試みるFTXに、ゲンスラー氏が法的な抜け穴を助言した可能性を指摘した。規制の独占とは、政府が企業にサービス提供者として排他的特権を与える類のもの。競合他社は、法律によって市場から除外される効果がある。

FTXは22年夏に仮想通貨レンディング大手BlockFi社を買収したが、米フォーチュン誌の匿名情報源によると、その背景にはBlockFiとSECの和解で受けた恩赦をFTXにも適用させるねらいがあったという。

BlockFiは22年2月に115億円の罰金を支払って、仮想通貨有利子口座の提供が認められた。FTXもまた同様のサービスを提供していた。なお、BlockFiは15日に破産申請の検討を開始したことが報じられた。

関連:FTX破綻が波及、BlockFiも破産準備中=報道

FTXはまた、22年4月に映画(小説)「フラッシュ・ボーイズ」で英雄として描かれた証券取引所IEXと提携。SEC規制下に入る動きを進めてきた。

関連:米国版FTX、SEC認可の証券取引所運営企業IEXと提携へ

FTXはこうした米国市場で事業拡大戦略を推し進める一方で、厳格な業界自主規制案を公開。バイナンスのような競合他社を除外し、管理者不在でP2Pの取引を実現するDeFi(分散型金融)を制限するような内容だったことから、業界内で批判を集めた。

関連:FTXサムCEOが提唱した仮想通貨規制草案に反論相次ぐ

また、サム・バンクマン=フリード元CEOが自身の血縁関係を活かして、「規制の独占」に取り組んできたとする疑惑も浮上している。

同氏の母親バーバラ・フリード氏はスタンフォード大学の法学部教授で、バイデン大統領の政治資金調達団体「マインド・ザ・ギャップ」の共同創設者で知られる。父親のジョセフ・バンクマンは著名弁護士でスタンフォード大学法科大学院教授、仮想通貨反対派で知られる共和党のエリザベス・ウォーレン上院議員に2016年に税法を起草した経緯がある。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

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