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ビットコインとアルトコインの未来

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ビットコインとアルトコインの未来
「ビットコイン VS アルトコイン(政府発行通貨含む)」 の構図は、しばしば話題となるが、「仮想通貨 VS 既存の金融システム」という構図が本質であるとも考えられる。

ビットコインとアルトコインの未来

長いトンネルの向こうに、少し光が差してきたような仮想通貨相場ですが、全般的にアルトコイン価格の回復は重く、ビットコインのドミナンスは依然として50%を上回っています。

しかし、その一方で、ビットコインはそのスケーラビリティ問題のため、ほかのアルトコインに取って代わられるだろうとの意見も散見されるとともに、政府発行のデジタル通貨が導入されることで、ビットコインの強豪なライバルになり、最終的には、法的権限をもつ政府が勝つのでは、との意見も見られます。

ビットコイン VS アルトコイン(政府発行通貨含む) の構図は、しばしば話題となりますが、少し離れた場所から、現代の社会全体の中での仮想通貨の立ち位置を概観すると、何が本当に重要なのかが、少しずつ見えてくるように思われます。

実際、仮想通貨の幕を開けたビットコインの誕生した時代は、深刻な世界的金融危機に見舞われており、上手く機能していない既存の金融システムへの、アンチテーゼであり、世界経済へ新しい解決策を提示することであったとも言えると思います。

そしてビットコインと、ビットコインを支える革新的なブロックチェーンという技術の可能性に心底「惚れ込んだ」多くの技術者が、周りを巻き込みながら、開発し始めたことで、誕生したのがイーサリアムであり、そのイーサリアムブロックチェーン上で、さらに多くのアルトコインが誕生していくことになったのが、大きな流れではないでしょうか。

現在1600以上あると言われているアルトコインですが、その中には、開発が滞り、コミュニティの支持を失うものがある反面、ビットコインにない機能を備え、独自の技術開発が継続して行われ、それぞれのエコシステムの構築が進んでいるものも数多くあります。

2018年に入ってからの仮想通貨価格の下落と停滞にもかかわらず、世界規模でブロックチェーン技術に対する投資は増え続け、ICOによる高額な資金調達成功の報道は後を絶ちません。

仮想通貨VS既存金融システム

つまり、「ビットコイン VS アルトコイン」という枠ではなく、「仮想通貨 VS 既存の金融システム」という構図が、今正に起こっていることの本質ではないでしょうか。

その視点から見ていくと、仮想通貨全体のエコシステムの規模は、継続して成長を続けており、その大きなエコシステムの中で、それぞれの通貨のエコシステムが存在し、それぞれの強みを生かし、つながりを持ちながら共存していける可能性は十分にあると思われます。

そして、生物の生態系が相互依存の関係にあるように、仮想通貨のエコシステムも、補い合い、進化していく可能性があるのかもしれません。 もちろん、支持基盤を失った通貨は淘汰されるという厳しい現実もあるとは思われますが。

仮想通貨エコシステム内で見ると、プライバシーに重点をおいた、Monero、 ZCash、 Dashなど機能を特化して開発を進めることで通貨としてのニッチを見出しているものもあります。 

これらは、価値の保存に優れ、仮想通貨のゴールドと認識されているビットコインとは、異なる役割を果たすと考えられ、競争よりは共存できる例ではないでしょうか。

また、仮想通貨のシルバーとして、ビットコインと比較されるライトコインは、その承認速度の速さから、ビットコインよりも日常的な用途に使いやすくすることを目的に開発が進められています。

つまり、伝統的な投資の選択肢として、金、証券、不動産、美術品などがあるように、仮想通貨エコシステム内でも、その特性や用途により、共存していけるのではないかと考えられます。

既存ビジネスの参入

さらに、仮想通貨エコシステム全体で見ていくと、既存のビジネスも参入することで、次々に新しい事業や通貨が生まれてきており、このエコシステムが成長し続けていることは明らかです。 

例えば、メッセージアプリのLINE株式会社は、独自のブロックチェーン技術を活用した、LINKエコシステムのサービス開始を発表していますし、同じくメッセージサービスのTelegramも独自のトークンを開発するなど、仮想通貨エコシステムに参加しています。

ビットコインの初期からの提唱者で、積極的に仮想通貨の普及活動を行なっているAndreas Antonopoulos氏は、「仮想通貨のアーリーアダプター(早い段階での参入者)ですか?」との問いに対して、「いやいや、私たちは、まだまだ少数の過激派(Lunatic Fringe)だよ」と答えています。  

仮想通貨エコシステムは、これから大きく成長を遂げていく分野であり、今はまだ黎明期にあることを心に留めおきながら、その成長を楽しみに見守っていきたいと思います。

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