Synthetix(SNX)の概要
Synthetixは、イーサリアム上に構築された分散型のシンセティックアセット(合成資産)発行プロトコルおよびそのプラットフォームだ。2017年9月に、Kain Warwick氏により当初Havven(HAV)として設立され、その後現在のSynthetixとしてリブランディングされている。
合成資産とは
合成資産とはデリバティブ類似商品のことで、一つまたはそれ以上のデリバティブから構成された金融商品のことを指している。Synthetixは、仮想通貨に加え、コモディティや法定通貨などの金融資産と連動するトークンを発行できるようにして、非ブロックチェーン資産を導入することで、仮想通貨の領域を広げた金融市場へのアクセス提供を目指す。
合成資産は「Synthetix Networkトークン」(SNX)によって担保されており、このトークンがコントラクトにロックされると合成資産(Synth)の発行が可能となる。合成資産を発行するために必要な担保率は750%だ。プールされた担保モデルにより、ユーザーはカウンターパーティを必要とせず、スマートコントラクトで直接Synth間の変換を行うことが可能。この仕組みにより、DEXが抱える流動性やスリッページの問題が解決されるという。Synthは、原資産の価格を追跡するだけなので、ユーザーが実際に資産そのものを所有することはない。
合成資産の価格は、最初はChainlinkのオラクルとSynthetixがデータを提供。その後はChainlinkだけがデータを提供していく計画だ。
その他
Synthetixは現在、合成法定通貨、仮想通貨、およびコモディティをサポートしており、SNX保有者は、Synthetix.Exchangeでの取引を通じて発生した手数料のうち、ネットワークへの貢献度に応じた部分が支払われるため、自分のトークンをステークするインセンティブが得られる仕組みとなっている。
2021年1月には、イーサリアムのレイヤー2プロジェクト「Optimism」がメインネットをソフトローンチをした際、最初にSynthetixに導入されたことで大きな注目を集めた。
一方で同年7月には、Uniswap Labsが規制に対する懸念を理由に、ERC20規格の合成資産へのアクセスを制限することを発表。制限対象のトークンの多くがSynthetixが提供するものだった。