グレースケール、DeFiファンド開始
米暗号資産(仮想通貨)運用大手グレースケール社とコインデスク・インデックス社は19日、DeFi(分散型金融)領域へのエクスポージャーを提供する「GrayScale Decentralized Finance(DeFi)Fund」と、「CoinDesk DeFi Index(DeFi指数)」のローンチを発表した。両社とも大手仮想通貨持株会社DGC(デジタル・カレンシー・グループ)の傘下企業である。
グレースケール社の新たなファンドは、CoinDeskの新たなDeFiインデックスを基にした投資信託。インデックスはDeFiプロトコルのベンチマーク提供を目指すバスケット型の指数となっており、以下の銘柄から構成されている。(銘柄:ティッカー:比率)
- ユニスワップ(UNI):49.95%
- アーヴェ(AAVE):10.25%
- コンパウンド(COMP):8.38%
- カーブ(CRV):7.44%
- メーカーDAO(MKR):6.49%
- スシスワップ(SUSHI):4.83%
- シンセティックス(SNX):4.43%
- ヤーンファイナンス(YFI):3.31%
- ウマプロトコル(UMA):2.93%
- バンコア・ネットワーク・トークン(BNT):2.00%
従来のグレースケール社が提供する仮想通貨投資商品と同様、DeFiファンドの販売は適格投資家に限定されるという。
グレースケールとは
グレイスケール・インベストメントは、米国の世界最大の仮想通貨運用企業。機関投資家および適格投資家を対象に、ビットコインの価格と連動した「Grayscale Bitcoin Investment Trust(GBTC)」やイーサリアムの価格と連動した「Ethereum Trust(ETHE)」など多数の仮想通貨投資商品を運営する。
▶️仮想通貨用語集
グレースケール社のMichael Sonnenshein CEOは以下のようにコメントした。
DeFiプロトコルの出現は、金融サービス業界の未来を再定義することができる技術の明確な一例だ。我々は、グレースケールの信頼性と安全性も持ち、業界を牽引する投資商品を通じて、投資家にDeFiへのエクスポージャーを提供できることを誇りに思っている。
また、CoinDesk IndexesのJodie Gunzbergマネージング・ディレクターも以下のように述べた。
この提携は、機関投資家向けのデジタル通貨インデックスを作成する上で、我々のリーダーシップを強調するものだ。
DeFiの革新に注目が集まる中、投資家にとっては、このエキサイティングで革新的な分野へ計算されたエクスポージャーを提供するツールが必要不可欠だ。今回の提携は、投資家のポートフォリオに分散型金融へのエクスポージャーを得るために必要なデータとツールを備える。
グレースケール社の仮想通貨投資商品の内、最も大きな比率を占めているのがビットコイン投資信託(GBTC)。7月16日時点の資産運用残高(AUM)の280億ドル(3兆円)の7割がGBTCで、2割がイーサリアム投資信託(ETHE)となっている。
他にも、複数の上位銘柄をバスケット型に含む「Digital Large Cap Fund」などを提供している。
最近では、1月にロックされたビットコイン投信の大規模アンロック(売買解禁日)が注目を集めた。
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示唆されていたDeFi銘柄
今回発表された、インデックスに関連したDeFi銘柄取扱いは2月時点で示唆されていた。
グレースケール社は23のアルト銘柄の取扱い・追加を検討している方針を明かしており、実際、同リストからはカルダノ(ADA)やファイルコイン(FIL)、ベーシック・アテンション・トークン(BAT)などの投資信託がすでに追加している。
今回DeFi Fundを通じて取り扱いが決定した銘柄のうち、BNT、COMP、MKR、SUSHI、UMA、UNI、YFIなどの名は、個別に検討銘柄として挙げられていたこともある。