ウォンの取引高が米ドル上回る
暗号資産(仮想通貨)リサーチ企業Kaikoは16日、中央集権型取引所における取引高で、韓国ウォンが米ドルを上回ったと指摘した。
2024年第1四半期(1~3月)に、ウォンの対仮想通貨取引高は約4,560億ドル(約71兆円)で、米ドルの4,550億ドル(約70兆円)を超え、世界の法定通貨でも首位となった格好だ。
なお、三位がユーロで590億ドル(約9兆円)、四位がトルコリラで500億ドル(約7兆円)、五位が日本円で420億ドル(約6兆円)となっている。
Kaikoは、ウォンによる取引高増加の背景について、次のように説明している。
マクロ経済環境の改善と、取引所間の熾烈な競争により、韓国市場の取引量は増加し、3月初旬には2年以上ぶりの最高水準に達した。
特に、最近の強気相場では競争が激化し、BithumbとKorbitが2023年後半に積極的なゼロ手数料キャンペーンを開始していたことの影響があるとしている。
Bithumbの市場シェアは、2023年10月にゼロ手数料キャンペーンが導入されてから数か月で3倍になった。ただこのキャンペーンのためにBithumbの2023年の年間収益は60%減少。同取引所は今年2月にキャンペーンを終了している。
Bithumbはゼロ手数料キャンペーン中に、一時的に70%前後のシェアを達成したものの、その後すぐに最大手取引所Upbitがシェアを取り戻した。Upbitは現在、韓国の仮想通貨市場シェアの80%以上を占めている。
韓国では3月、他国の取引所とのビットコインの価格乖離現象「キムチ・プレミアム」が観測されたところだ。価格乖離はプラス10%を超えていた。
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米国ではバイナンスのシェアが後退
Kaikoは、米国の仮想通貨取引所の状況についても指摘している。
米国ではコインベースが60%前後の市場シェアを維持し続けている。一方で、競合のバイナンスUSはシェアを減らした。2023年の30%超から、現在は約0.28%まで低下している。
背景には、2023年6月に米証券取引委員会(SEC)がバイナンスに対して訴訟を起こしたことがある。
バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)前CEOは2023年11月、法律違反を認めて規制当局と和解し、同社から退任した。しかしその後もSECとバイナンスの間の裁判は続いている。
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