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ビットコイン急落、米株・金が最高値圏のなか独歩安、トレジャリー企業とステーブル増発に限界感|仮想NISHI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

仮想通貨マーケットレポート(9/23 AM8時)

仮想通貨ビットコイン(BTC)は22日に急落した。背景として、ストラテジー社の追加購入が限定的であったことから、主要トレジャリー企業の追加購入余力が減退しつつあるとの市場予想が広がったことが挙げられる。加えて、FRB高官から追加利下げに慎重な意見が相次ぎ、デリバティブ市場を中心に売りが加速した。

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9月12〜13日相場状況

成行注文の状況をみると、今回の下落はデリバティブ市場におけるロングポジションの清算(売り)が主導したものである(下画像黄枠)。現物市場では急落の局面ではむしろ買い注文が優勢であり、ギャップが鮮明となった。

米株価指数との相関関係を観測期間2カ月で確認すると、8月中旬には+0.9前後の高い相関を示していたが、現在はS&P500+0.30、ダウ+0.08と大きく低下している。株価指数が最高値圏にある一方で、従来の連動性は大きく弱まっている。また、金(ゴールド)との相関も-0.08とほぼ無相関に近い水準となっている(下画像赤枠)。

また、9月上旬以降は長短金利差(10年債-2年債)が縮小傾向にあり(下画像黄色矢印)、ステーブルコイン発行の投資妙味が低下した。このことが暗号資産市場全体の購入余力を衰退させている可能性がある。

デリバティブ市場では売られすぎの状況が顕著である。ファンディングレートをみると下落によるロングポジションの大量清算の結果、足元ではショートポジションの割合が多くなっていると考えられる。

さらに複数の取引所では先物価格が現物価格を下回るバックワーデーションが発生しており(下画像赤枠)、短期的にはショートカバーが起きやすい状況となっている。

主要アルトコインにおいても同様の傾向が見られ、先物価格が現物価格を下回るなど、市場全体に売られすぎの兆候が広がっている。

Order Bookの状況を確認すると、急落以降はBid注文が増加しており、さらに下落すれば買い向かうという指値注文のスタンスが強まっている。

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現状分析(9/23日 AM8時)

米株価指数や金が最高値を更新する中で、ビットコインが独歩安に近い動きを示している要因としては、第一にトレジャリー企業の購入余力減退、第二にステーブルコイン新規発行意欲の低下がある。これらはこれまでビットコイン市場を下支えしてきた要因であったが、その効果が薄れたことで失望売りにつながった。上昇にはトレジャリー企業依存の脱却に加え、日本など金利が上昇している国などによる米ドルペッグのステーブルコイン依存の脱却が必要となっている。

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今後の重要な日程

  • 9/26日 米PCE価格指数
  • 9/26日 米消費者信頼指数
  • 10/1日 米ISM製造業景気指数
  • 過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

    寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
    X-Bankクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
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