はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

韓国で新たな規制法案も:度重なる大手取引所ハッキング被害

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

度重なるハッキング被害:Bithumbの過失
韓国最大級の取引所Bithumbから約30億円が不正流出した。仮想通貨のハッキング被害が後を絶たないが、その背景には何があるのか。5年以上の運営歴を持ちながら、一度もハッキングされたことがない取引所との違いを探る。
Bithumbとは
Korbit、Coinoneと並ぶ、韓国三大取引所の一つとされ、中でもBithumbは最大級の取引量を誇る。6ヶ国語に対応し、XRP/KRWの取引量も非常に多い。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

多発したハッキングが韓国政府を動かす。規制方針の詳細

大手取引所Bithumbにてハッキング被害が報道された韓国ですが、多くの義務を取引所に課す新たな法案がすでに提出されています。

新しい法案とは

政府は、仮想通貨取引所の審査を厳格化するため、「仮想通貨を取り扱う業者」と定義し(ライセンス制度)、マネーロンダリングの防止(AML)と、取引ルールを義務付けるそうです。

規制当局の金融情報ユニット(FIU)によれば、「もし国会で法案が可決されれば、取引所はFIUへの報告が義務付けられ、FIUの監査下に置かれる」とのことです。

さらに、同法案はすべての金融企業が取引データと顧客の認証記録等の関連情報を5年間保存すると強制するようです。

罰則として、KYCと疑惑取引の報告義務を徹底しない業者に2万8千ドルの罰金、取引企業の幹部や主要背委任者の解雇を勧告、業務を停止させるそうです。

FIUの局長Son Sung-eun氏は、「仮想通貨業界をマネーロンダリングの温床にさせてはならない」と発言。

仮想通貨対策本部の副部長によると、今回の法案は仮想通貨取引所を合法化したものではないと強調しています。

また、韓国の金融委員会(日本の金融庁に相当)の主席を務めるChoi Jong-ku氏は以下のように述べました。

(Bithumbのような)盗難を防ぐために、我々は取引所における仮想通貨取引のシステムの安定性とトレーダーに対する保護を強化せねばならない。

増加する仮想通貨取引所のハッキング被害

仮想通貨取引所の経営体制やセキュリティ対策の抜本的な見直しなど、世界各国で規制強化される中、またもや仮想通貨取引所を狙ったハッキング事件が発生してしまいました。

記憶に新しいところでは今年1月、BTC取引量日本1位を誇っていたCoincheckが、ハッキングを受けて5.2億NEM(当時約580億円)の被害を被り、2月にはイタリアの仮想通貨取引所BitGrailが約204億円、6月には韓国の仮想通貨取引所であるCoinrailが、約44億円のハッキング被害を受けました。

そして昨日(6月20日)、韓国ソウルの大手仮想通貨取引所「Bithumb」が、3,000万ドル(約33億円)相当のハッキング被害を受けたことを公表しました。

Bithumbチームは、事件発覚直後に不正検知後。すぐさま顧客資産をホットウォレットからコールドウォレットやオフラインウォレットに迅速に移動したと発表、被害額を最小限に抑えたと報告しています。

Coinmarketcapによると、仮想通貨取引所Bithumbは世界6位の取引量があり、韓国では2番目に規模の大きい取引所であることから注目を浴びています。

Bithumbは過去にも、2017年6月に社員のコンピュータを経由してハッキングを受け、「名前、携帯番号、Eメールアドレス」を含む約3.2万人分の顧客情報が漏洩しました。

Bithumbは、取引所が管理する資産に直接的な被害はなかったと語る一方で、情報漏洩に伴った個人アカウントの乗っ取りおよび、総額1億円以上の不正送金が行われたことが明らかになっています。

Bithumbの3度目の過失

CCNによると、韓国取引所のBithumbのハッキングに繋がった理由として、経験豊富で優秀な金融セキュリティ専門家の獲得が思うように進まず、万全な経営体制を確立できなかったことが一因とされています。

名の知れたベンチャーキャピタリストであり、仮想通貨取引所Coinbaseの初期投資家でもあるFred Wilson氏も、「世界レベルのセキュリティや信頼性、安全性といったものは、どれも銀行が得意とする分野だ。」と語り、既存金融分野のノウハウを持つ人材確保の重要性を説いています。

また、韓国のESTsecurityでチーフアナリストを務めるMun Chong-hyun氏は、今回のBithumbへのハッキングを受け、セキュリティの甘さについて以下のように指摘を行いました。

セキュリティ政策や規制だけでは、仮想通貨の安全性を”100%保証”することはできない。

仮想通貨は匿名の元で所有されており、歴史のある既存金融機関と比較してセキュリティレベルの甘い中で管理されているのが現状だ。よって、(世界中のハッカーにとって)格好の的であると言えるだろう。

ハッキング被害に遭ったことのない取引所との違い

仮想通貨投資家は、数多くの仮想通貨取引所が連続してハッキング被害にあっていることから、どこもかしこもハッキング被害を被っているように感じてもおかしくありませんが、

中には5年以上の運営歴を持ちながら、一度もハッキングされたことがないCoinbase(アメリカ)、Bittrex(アメリカ)、Binance(マルタ)、Huobi(香港)などの世界最大手取引所も存在します。

そのような取引所は、リソースの多くをセキュリティ強化対策に割り振り、強固かつ盤石な運営体制を編成している特徴があります。

このように今後仮想通貨取引所を選ぶ際、ブランド力や知名度のみならず、セキュリティなどの安全性、過去のハッキング被害歴なども、判断基準に影響しています。

仮想通貨取引所の運営会社も、全ての取引所がハッキングリスクに晒されていることを念頭に置き、「セキュリティの強化や人材獲得に注力していく必要性が急務であり、顧客からも強く求められている。」と言えるでしょう。

CoinPostの関連記事

レジャーナノ(Ledger Nano S)の使い方|仮想通貨を安全に管理する方法
仮想通貨取引所のハッキングリスクが問題になる中、仮想通貨資産を安全に保管できるコールドウォレット『Ledger Nano S(レジャーナノS)』の購入方法や初期設定方法、リップル(XRP)の送金・入金方法など使い方を詳しく解説。26種類の対応仮想通貨一覧もあるので、参考にどうぞ。
世界最大手の韓国取引所Bithumbがハッキングされる|被害額33億円相当
世界最大手の仮想通貨取引所である韓国のBithumbが、ハッキングを受けたことを公表しました。その被害額は3000万ドル(約33億円)にものぼります。
CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/09 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコイン急落やXRP・LTCのETF申請で進展など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
今週のビットコイン乱高下で推移、米中貿易摩擦が重石に|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストの長谷川氏が2月第1週のビットコイン相場を分析。米加墨の関税問題や日銀の追加利上げ観測による円高進行で上値が重い展開に。一方で、バイデン政権下のFDIC規制見直し方針が下支えとなり、今後は米雇用統計と中国の対米関税発動が焦点に。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|App Storeの海外取引所アプリの使用制限に高い関心
今週は、米仮想通貨特命官の会見、App Storeにおける複数の海外取引所アプリに対する新規インストール制限、アーサー・ヘイズ氏によるビットコイン相場分析に関するニュースが最も関心を集めた。
02/08 土曜日
13:45
仮想通貨関連のAIエージェント市場、ピークから2兆円の時価総額消失
仮想通貨・ブロックチェーンにおけるAIエージェント市場はここ3週間で2.1兆円の時価総額を失い、急激な下落が続いている。
12:55
SBI、仮想通貨事業で過去最高収益 取り扱い銘柄も拡充へ
SBIホールディングスの第3四半期決算で仮想通貨事業が過去最高益を達成。DMM Bitcoin統合や日本初のUSDC取扱いなど事業拡大を加速している。
11:10
ソニーのソニューム、初の音楽NFTコレクション販売開始
ソニーブランドのソニュームは7日、Web3レーベルCoop Recordsと提携し、東京を拠点とするプロデューサーNUU$HIの未発表楽曲を含む初の音楽NFTコレクションを公開した。
10:05
米ドル覇権の強化狙うか、ステーブルコイン規制法案 米両院で推進
米下院金融サービス委員会が米ドル建てステーブルコイン規制枠組みの草案を発表した。上院でも超党派による法案が提出された。
09:15
ビットコイン10万ドル突破後反落、米雇用統計とインフレ予想の影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、米雇用統計が市場予想を下回ったことを受け、金融引き締めリスクが後退したことで上昇し、一時的に10万ドルの大台を突破した。しかし、トランプ米大統領が新たな関税政策を示唆するなどを受けビットコインは反落する展開となった。
08:15
公的資金のビットコイン投資、米国17州で法整備進む
フロリダ州を含む米国の複数の州で、公的資金による仮想通貨ビットコイン投資を可能にする法案の提出が相次いでいる。
07:25
ブラックロック、米ストラテジーの株を5%保有
ブラックロックが24年12月末時点でストラテジーの株を5%保有していることを報告。両社は仮想通貨ビットコインなどの投資家から大きな注目を集める企業である。
06:45
アークインベスト、ソラナが開発者数・処理性能で存在感 イーサリアムを上回る
ARK Investが4日に公開した「Big Ideas 2025」によると、2024年の新規仮想通貨開発者数は3.9万人を超え、そのうちソラナが7,625人と最多を記録し、イーサリアムのメインネットを上回った。
06:10
超富裕層の投資家グループTiger21、9000億円以上を仮想通貨に投資
富裕層投資グループTiger21がビットコインなど仮想通貨にゴールドの代替として注目。ポートフォリオの1-3%を配分していると明かした。
02/07 金曜日
18:00
Web3時代のアニメ革命  Azuki発「Animecoin」が描く未来図とは
人気NFTプロジェクト「Azuki」が主導するAnimecoinが、独自レイヤー3ブロックチェーン「AnimeChain」を基盤に、アニメ業界の構造改革に挑む。2030年に600億ドル規模まで成長が予測されるアニメ市場で、ファンとクリエイターの新たな関係性を構築する「フルスタックアニメ戦略」の全容に迫る。
18:00
トランプ夫人のミームコイン「メラニア(MELANIA)」とは?買い方を解説
トランプ夫人メラニアが発行した仮想通貨「MELANIA」の特徴、価格動向、購入方法、将来性、投資リスクを解説。Solanaチェーン上で展開される話題のミームコインを明らかにします。
14:00
トランプ大統領のミームコイン宣伝は連邦法違反か、米非営利団体Public Citizenが調査要請
米消費者権利擁護団体Public Citizenが、トランプ氏によるTRUMPコインの宣伝行為が連邦法に違反する可能性があるとして、司法省と政府倫理局に調査を要請。外国からの贈与に関する懸念にも言及した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧