CoinPostで今最も読まれています

トークンや分散型台帳技術の活用も検討必要──財務省が「デジタル円」の有識者会議開催

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCの論点

財務省は13日、アプリやカードの決済での利用が想定される中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、有識者会議(第8回)を開催した。

同日に会議の取りまとめを公開していているが、これはCBDCの導入を前もって判断するものではないと説明。導入することになった場合に備えて、考えられる制度設計上の主要論点に関する基本的な考え方や選択肢などを明らかにすることが目的だとしている。

日銀は現時点でも「デジタル円」となるCBDCを発行するかは決断していない。その一方で、他の主要国と同様に研究や実験は進めている。今回の有識者会議は、「日銀や関係省庁と連携しながら、国民的議論を経てCBDCを導入することになった場合に遅滞なく発行できるように準備を進めるよう財務省に期待している」と述べた。

関連デジタル円、日銀がパイロット実験 概念実証では分散型台帳技術との連携も想定

CBDCとは

「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCはデジタル上の法定通貨であること。

▶️仮想通貨用語集

関連中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは|ビットコインとの違いと主なメリット

議論のポイント

CBDCについて今回の有識者会議では、主に以下の内容が議論された。

  • 日銀や仲介機関の役割
  • 現金や銀行預金、他の決済手段との共存・役割分担
  • セキュリティの確保
  • 利用者や取引に関する情報の取り扱い
  • 法令面の対応の必要性
  • コスト負担のあり方
  • クロスボーダー決済

日銀の役割の箇所では、「CBDCの記録・確認を正確に行うための仕組み(台帳等)の管理を行うことが適当」と記載。そして、技術については「トークン型や分散型台帳技術といった技術を活用するかも含め引き続き検討が必要」だとしている。ブロックチェーンは分散型台帳技術に含まれる。

関連マスターカード、トークン化されたCBDCによるNFT購入をテスト

また、現金との共存・役割については、CBDCは相互に補完し合うものと考えることが基本だと主張。そして「匿名性」については、CBDCで高額・高頻度での取引が容易になる可能性も踏まえ、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)を重要視して検討していくべきだとしている。

ほかにも、以下のようなポイントが挙げられた。

  • 金融システムや経済への影響を考慮し保有制限の設定を検討する
  • 民間の事業に影響する可能性があるため企業とも十分に議論する
  • 日銀が取り扱う情報は必要最小限にする
  • 政府は基本的に、必要に応じて情報提供を受ける
  • 関係省庁と連携して、法令面の幅広い対応の検討を進める
  • 他国との連携・調和を進める

関連EU諸国の中央銀行、CBDCなど決済用新技術を検討開始

日経新聞によれば、財務省は今回の論点整理をもとに、2024年1月をめどに関係省庁の局長級や日銀の理事で構成する連絡会議を新設して、制度設計の大枠の整理を進める方針だという。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア