CoinPostで今最も読まれています

大手仮想通貨取引所の上場効果 「アルト高騰と利確売りの傾向」CoinMetricsが分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コインベースの仮想通貨上場効果

マーケットの拡大が急務となるアルトコイン市場において重要視される流動性と知名度。それを補うイベントとして市場が意識するのが、主要取引所への上場だ。

その中でも一際高い上場インパクトを誇るのが米コインベースで、投資家らは「コインベース効果」と呼ぶ。規制下で事業を拡大するマーケットプラットフォームとそのユーザー数や出来高から、過去の新規上場通貨も高い騰落率を記録している。

データ分析サイトCoinMetricsは、これまでコインベースProの上場検討発表・実際の上場発表および取引開始後の面から対象銘柄の値動きを分析、コインベース効果の実態を調査した。上場関連発表に伴う「アルト高騰と利確売りの傾向」として、アルトコイン投資家も参考にしたいデータだ。

上場検討の効果

まずCoinMetricsが分析したのは、上場検討による効果だ。上場検討は、コインベースが今後上場する銘柄の候補を発表することで、必ずしも候補の銘柄が上場に至る訳ではない。

これまでコインベースは3回に渡って、上場検討を発表している。「2018年12月7日、2019年8月5日、2020年6月10日」

最初に上場検討リストに入っていたのがADA、EOS、KNC、LINK、OMG、XTZ、XRP、ZILなどの主要アルトコインだった。

二回目は、ALGO、ATOM、DASH、MATICなど8銘柄。そして、直近発表された3回目となる検討リストには、BNT、COMP、Ren、Siacoin、VeChain(VET)を含む複数の銘柄だ。(記事下部に全通貨リスト掲載)

これらの銘柄の多くは、未だ上場に至っていないが、Coinbaseが上場検討をする上で調査対象としていること受け、市場は価格に織り込む向きがある。

CoinMetricsは前提として、発表時の相場状況を2018年弱気相場、2019年夏頃の上下変動を繰り返すチョッピー相場、そして2019年現在の「メルトアップ相場」に分けて分析を行なっているが、それを加味しても上場検討発表の影響はあったと指摘する。

結果を見ると、2018年と2019年の検討発表に比べ、2020年6月10日に行われた発表が最も瞬時的な影響力が見られた。平均上昇幅では、20%〜40%と高い発表インパクトが確認された。

実際の上場効果

CoinMetricsによると、実際の上場に至った場合、2018年〜2020年に上場が実現した多くの銘柄は上場発表から10日間までの期間で価格が上昇する傾向が見られた。

この図は、上場発表の10日前から、発表した10日後までの効果を測定したものだ。

出典:CoinMetrics

具体的には、取引開始からの10日以内に価格が上昇していた銘柄は、全体の約6割。中で最も上昇していたがOmiseGo(2020年5月18日)で、BTC建てで+142%と高い高騰率を記録した。市場要因も影響して下落した銘柄でも、MANAの-23%が最大であったという。

一方、上述したように、価格が異例な値動き(上場インパクト)となるのは、10日間ほどで、投機的な向きが強い。CoinMetricsは、「100日の価格平均で見れば基本は全体相場の値動きに再び連動することになっていた」と警戒ポイントについても指摘している。

アルト市場に再び関心?

CoinMetricsの分析を見る限り、アルトコイン市場に対して投資資金が再び入りつつあるようだ。

直近では過去最高値まで価格を伸ばす銘柄も出てくるなど、今回のデータ以外でもそれを裏付ける動きもあり、アルト市場も活発になりつつある。

中国の国家ブロックチェーンサービス、Chainlinkのオラクルに導入──過去最高値付近の仮想通貨の現在
中国の国家ブロックチェーン・プラットフォームである「BSN」が仮想通貨ChainlinkのデータオラクルとCosmosのクロスチェーンを導入すると発表した。

傾向としては、アルトバブルの様相は呈しておらず、個別に優良銘柄とされるアルトコインが単独上げを記録する。2017年のバブル崩壊から2年、大半のアルトコインからは市場資金が抜けた状況にあるが、詐欺やハッキング、規制等、アルトコイン市場全体を揺るがす問題が一服しつつあり、将来性に投じる資金も出始めていることも予想される。

仮想通貨(暗号資産)リサーチ企業Blockfyreの共同創設者Simon Dedicが、次世代の仮想通貨時価総額ランキングについて私見を披露し、業界で今後評価されるプロジェクトについて、有識者らのコメントを行うなど、次世代の注目プロジェクトへの期待感は高まっている。

次世代の仮想通貨ランキング、どの銘柄がランクイン? 業界関係者らが見解
仮想通貨リサーチ企業Blockfyreの共同創設者が、時価総額ランキングでトップ10に入っている仮想通貨の内、5銘柄はその地位に値しないとの見解を示した。その根拠を語っている。

上場検討銘柄リスト(1回〜3回)

1回目

  • ADA
  • AE
  • ANT
  • BRD
  • CVC
  • DAI
  • DNT
  • ENJ
  • EOS
  • GNT
  • IOST
  • KIN
  • KNC
  • LINK
  • LOOM
  • LRC
  • MANA
  • MFT
  • QKC
  • REP
  • REQ
  • SNT
  • STORJ
  • XLM
  • XRP
  • XTZ
  • ZIL

2回目

  • ALGO
  • ATOM
  • DASH
  • DCR
  • MATIC
  • ONE
  • ONT
  • WAVES

3回目

  • Aave
  • Aragon
  • Arweave
  • Bancor(BNT)
  • COMP
  • Digibyte(DGB)
  • Horizen(ZEN)
  • Livepeer
  • NuCypher
  • Numeraire
  • Keep Network
  • Original Protocol(OGN)
  • REN
  • Render Network
  • Siacoin
  • SKALE Network
  • Synthetix
  • VeChain(VET)

参考:CoinMetrics

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア