CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨企業が数百億円の債務返済、マーケットメイカーのデレバレッジが進行

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨マーケットメイカー

暗号資産(仮想通貨)のマーケットメイカーであるWintermuteが、過去数週間に数百億円(数億ドル)の債務を返済してきたことを明かした。

マーケットメイカーによる債務返済は仮想通貨市場のデレバレッジにつながる。同業他社が足並みを揃えていれば、市場を取り巻く担保資産の清算リスクの緩和にもつながる。

7日付けの米ウォールストリートジャーナルによると、WintermuteのMarina Gurevich最高執行責任者(COO)は、「過去数週間に様々な貸し手に対して数億ドルの債務を支払った」と語っている。このコメントは、5日に米国で破産申請を出した仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalに言及したものだ。

関連:3ACへの巨額融資の影響で連鎖破綻か、仮想通貨企業Voyagerが破産申請

Voyager Digitalは、高利回りな預金金利を謡い、投資家に仮想通貨を預けさせた。一方で、同社は集めた資産をWintermuteやJump Tradingのような仮想通貨マーケットメーカー会社に貸し出して金利を稼いだ。

仮想通貨のマーケットメイカーは取引市場間のわずかな価格差から利益を得るため、仮想通貨を様々なプラットフォームに置いておく必要がある。そのため、融資企業から資金を借りてきた。

しかし、VoyagerはヘッジファンドのThree Arrows capital(3AC)の破綻により、約900億円(6.5億ドル)相当の不良債権を抱え、破産に至っている。

Voyagerの破産申請書からは、3ACだけでなく多くの他の仮想通貨投資会社向けの融資額が明らかになっている。

Wintermuteは年利4%~13.5%で約37億円(2,730万ドル)を借り入れていた。また、仮想通貨投資・トレーディング企業Alamedaも約500億円(3.7億ドル)相当を借りていたほか、米仮想通貨投資企業Galaxy Digitalや、Genesis Globalといった業界大手もリストに含まれている。

WintermuteのEvgency Gaevoy最高経営責任者(CEO)は6月、ポッドキャストでこうしたマーケットメーカーについて以下のように語っている。

これらの企業はどこも、数年間で数十億ドル稼いだつもりでいた。しかし、それは間違いだった。Wintermuteも受けていた融資の全てが貸し手によって清算された。当社のバランスシートは半分以下になっている。

一方で、Voyagerに資金を預けていたユーザーは、資金の100%は取り戻せないという見方が出ている。破産に先だって、Voyager Digitalは1日に顧客の入手金、取引、リワード付与及びデビットカード利用の一時停止を発表していた。

破産申請書類によると、同社は現在約13億ドルの仮想通貨を保有している。再建プランによると、Voyagerの破産プロセス後に顧客の仮想通貨は「不完全になる」ことが記載されており、「ユーザーが預けた仮想通貨+再建後の株式、Voyagerトークン、Three Arrows Capitalから回収した資金」のミックスで返済する方針を示している。

アカウントに米ドル預金がある顧客は、メトロポリタン商業銀行との「和解と詐欺防止プロセスが完了した後」に資金を出金できるようになるという。

関連:「市場に漂う清算リスクの暗雲」、仮想通貨企業の債務問題・救済策まとめ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア