Zcash(ZEC)の概要
Zcash(ZEC:ジーキャッシュ)とは、「ゼロ知識証明」という技術を活用して、第三者が取引内容を見ることができないようにすることが可能な仮想通貨。匿名性の高さがその特徴の1つである。
Zcashのネットワークは、Zcash財団とElectric Coin Company(ECC)、そして独立した開発者によって維持されている。
運営元のZcash財団、および開発を手がけるECCは、米国の非営利団体で、公共の利益のために金融プライバシーインフラを構築し、主にZcashプロトコルとブロックチェーンのユーザーにサービスを提供している。
匿名性の高い通貨
Zcashは創設時から「匿名性」に重きを置いてきた仮想通貨だ。Zcashの共同創設者でありECCのCEO、Zooko Wilcox-O'Hearn氏は、一貫してインターネット上におけるプライバシーの重要性を主張している。
Zcashの大きな特徴は「ゼロ知識証明」技術により匿名性をもたらすことだ。「ゼロ知識証明」では、第三者が取引内容を見ることができないようにすることが可能となる。
ゼロ知識証明は証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズムだ。
マネロン対策
ただ、匿名性の高い仮想通貨は犯罪利用の懸念があることから、欧米諸国含め世界中で規制が強化される流れだ。Zcashは一時期、日本国内の仮想通貨取引所でも取り扱いされていたものの、犯罪利用の懸念から上場廃止となっている。
このことから、Zcash側も「マネーロンダリング防止」(AML:Anti-Money Laundering)、および「テロ資金供与対策」(CFT:Combating the Financing of Terrorism)に対応し、仮想通貨取引所における国際基準をクリアするための対策を講じている。
Zcashは本稿執筆時点(22年2月)、国内の仮想通貨取引所には上場していない。