USDCの概要
USDCは米ドルを担保資産とする、「ステーブルコイン」と呼ばれるタイプの仮想通貨だ。コインベースと米Circleの共同事業体「Centre」によって発行される。執筆時点で流通してるUSDCは250億ドルを超えており、USDTに次いで2番目に時価総額が高いステーブルコインだ。
USDCは2018年、イーサリアム(ETH)上で初めてローンチされ、その後はアルゴランド(ALGO)、ステラ(XLM)、およびソラナ(SOL)、トロン(Tron)上で採用されてきた実績がある。
米大手投資銀行ゴールドマンサックスから出資を受けており、NYDFS(ニューヨーク州金融サービス局)が発行する仮想通貨事業を行うための免許「Bit License」も取得しているため、比較的信頼できるプロジェクトであると言える。
ステーブルコイン
ステーブルコインとは、端的に言えば「ボラティリティのない仮想通貨」の総称だ。
「ステーブル」とは日本語で「安定した」と訳され、その名の示すとおり、価値を一定レベルに保つ仕組みが実装されている。
具体的には、法定通貨に価格を「ペッグ(固定)」することにより価値を安定させる「法定通貨担保型」のステーブルコインであり、「1USDC=1米ドル」となるよう設計されているため、米ドルの価格変動と連動する形で価格が上下する。
裏付け資産公開
USDCの運営元である米Circleは21年7月、USDCの裏付け資産を公開。この報告書では、監査などのサービスを手掛ける大手会計事務所Grant Thorntonが発行したものだ。報告書によると、21年5月28日時点でのUSDCの裏付け資産には、現金および同等物は約6割に過ぎず、譲渡性預金、米国債、コマーシャルペーパー、社債、地方債、エージェンシー債などが含まれていた。
それまでUSDCは「米ドルを1:1で担保資産とするステーブルコイン」と紹介されてきたにも関わらず、同報告書で米ドルなどの現金以外の資産も含まれていたことから、一部コミュニティでは物議を醸していた。
このことから、Circleは21年9月までに透明性の向上と、USDCの裏付け資産を全て現金および米国短期国債としてのみ保有する方針を約束している。
また、Circleは21年8月、米国でデジタル通貨の国法銀行(National Bank)になることを目指していると正式に発表した。