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スイス金融当局がICOガイドライン作成/世界に先駆けてICO支援国となるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スイスの経済監査機関がICOに関するガイドラインを作成
従来のICOの中には、革新的な技術に基づいた有望なプロジェクトがある一方、集金目的で詐欺まがいのプロジェクトも多数見受けられました。スイスでは、新規ICOの実施に関するガイドラインを制定し、健全なICOが行われる体制づくりが着々と行われています。
ICOプロジェクトを3つに分類
当ガイドラインでは、ICOプロジェクトを3つのカテゴリーに分類し、それぞれに適用される法律の枠組みなどを定めています。
スイスは世界に先駆けてICOを支援する国となるか
イギリス、イタリアでもICOに関する法律の立案が進んでいますが、このガイドラインの発表を受け、スイスが世界に先駆けてICOを正式に認知する国となるかもしれません

スイスの金融監査機関であるFINMA(the Swiss Financial Market Supervisory Authority)がICOに関するガイドラインを作成しました

この取り決めにより、今後ICOの発案者は規制当局によって念入りに調査されます。

また、ICOにより発行されるトークンは資金洗浄防止取締法に基づき、場合によっては有価証券として扱われることになります。

スイスでのICO案件が急激に増加し、ICOに適用される規制の問い合わせが増加していることから、規制当局はガイドラインの作成に踏み切りました。

Financial Timesによると、FINMAはすでに100以上のICOガイダンスの要請を受けている模様です。

当機関のプレスリリースによれば、金融市場を取り締まる法規制が全てのICOプロジェクトに該当するとは限らず、いくつかのICOプロジェクトは規制局の要求による影響を受けないことを明らかにしています。

したがって、状況に応じてケースバイケースの分析が必要であると言います。

ICOの規制は主に以下の2点、(1) 発行されたトークンの目的、(2) トークンがトレード可能であり、ICO時に配布されるか、について調査が行われます。

また、用途に応じてトークンの種類を分類する体制が未だ整っていないため、FINMAは世界に先駆けてトークン3種類に区分することを試みています。

FINMAが定めるICOトークンのカテゴリー

FINMAは様々なICOトークンを3種類のカテゴリーに分類することを表明しています。

一つ目のカテゴリーは「決済用トークン(payment tokens)であり、その名の通り決済手段として用いられるトークンが該当します。

二つ目のカテゴリーは「ユーティリティートークン(utility tokens)」であり、ある特定のデバイスやサービスの利用に必要なトークンとして開発されたものが該当します。

最後のカテゴリーは「資産トークン(asset tokens)」であり、企業や何らかの資金源に根ざした資産に相当するトークンや、保有していると配当や利子を得られるトークンが該当します。

すでに述べたように、新規ICOは資金洗浄防止取締法に基づいて規制され、規制当局は金融仲介機関に対し利益を得たトークン保有者の身元を特定できるように要求しています。

また、そのトークンが有価証券として扱われる場合には、ICO市場への投資家が、彼らの運用方針を「信用できる最低限の情報」に基づいて決定できるような体制作りが必要だと考えています。

さらに、当機関はフェアで信用が担保されたトークン取引が行われるべきだと指摘しています。

これらを考慮に入れ、FINMAは新たなICOプロジェクトをその目的に応じて3つのカテゴリーに分類する予定であることを明らかにしました。

Payment ICOs(決済用トークン)
当カテゴリーに該当するプロジェクトでは、受け渡しが可能で、決済手段としての機能を果たすトークンを発行します。資金洗浄防止取締法に遵守する必要がありますが、これらのトークンは有価証券として扱われません
Utility ICOs(ユーティリティートークン)
当カテゴリーのプロジェクトにより発行されるトークンの目的が、何らかのアプリケーションやサービスの提供のためであるならば、そのトークンは有価証券として扱われません。投資対象としてそのトークンが機能するならば、有価証券として扱われます。
Asset ICOs(資産トークン)
ICOによって発行されたトークンは有価証券として扱われます。つまり、そのトークンの保有者に配当を配ったり、何らかの資金調達の手段を提供した場合、資産や債権として扱われるということです。また、これらのプロジェクトは厳格な認可要件をクリアする必要があります。

FINMAは、多くのICOプロジェクトが上記のカテゴリーの複数に該当するだろうと認識しています。

また、資金清浄防止取締法は第三カテゴリーの資産トークンに該当するICOにのみ適用されます

この度の発表を受け、FINMAのCEOであるMark Bransonは以下のように述べています。

我々がICOプロジェクトやその新規要請に適切なアプローチを取ることで、有望なイノベーターが規制に則って開発を進めることを手助けできるでしょう

また、彼らは既存の経済システムとの統合や出資者を保護するための法規制にも遵守しつつ、ICOプロジェクトをローンチできるようになるでしょう。

FINMAは、おそらく世界に先駆けてICOプロジェクトのサポートを手掛ける規制機関となるでしょう

CNNの報道では、ジブラルタル(イギリスの海外領土)の経済監査機関が、自領土内におけるICOプロジェクトを規制する法律の立案を進めていると伝えられています。

また、スペイン政府もICOに関する法律の立案を準備しており、税制優遇法案を盛り込むことで自国にブロックチェーン企業を誘致する策をとるかもしれないと報道されています。

Switzerland Lays out Guidelines in Support of ICOs

February 16, 2018

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