TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨採掘大手Bitmain、上場審査期限が目前に  審査難航の背景には

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bitmain、上場審査期限間近
「IT企業史上最大のIPO(Initial Public Offering)案件になる」と注目されていた仮想通貨マイニング最大手Bitmain社の上場審査が、承認を得られないまま期限切れを迎える可能性が高まっている。その背景とは?

Bitmain、上場審査期限間近

「IT企業史上最大のIPO(Initial Public Offering)案件になる」と注目されていた仮想通貨マイニング最大手Bitmain社の上場審査が、承認を得られないまま期限切れを迎える可能性が高まっている。

同社は2018年9月26日に香港証券取引所(HKEx)への上場申請を発表したものの、手続きは難航。同取引所のルールに従うと上場委員会から上場の最終承認を得るためには、まずは申請から半年以内にから承認を得る必要がある。非公開聴聞会による承認を得られない場合、審査は自動的に打ち切られ、上場を諦めるかあるいは再度申請を行うことになる。

現在、Bitmain社の申請に関しては公聴会が開かれたとの報告は聞かないまま、期限が目前にせまっている状況だ。

マイニング事業縮小の背景

同社は「HKExはBitmainの上場承認を躊躇していた」という2018年末のSCMPによる報道を否定していたものの、マイニング事業の採算が急激に悪化している事実が苦戦の背景にあることは間違いなさそうだ。

Bitmainが上場申請後、ビットコインの価格急落に伴う収益性の悪化により、中小マイニング事業者は続々と撤退、影響は大手企業であるBitmainにも波及したと見られている。

Bitmain社はイスラエルの傘下開発センターの閉鎖に続き、テキサス州で計画していた大規模なマイニング工場の建設を保留。アムステルダムでの事業も縮小するなど、最大手ですら苦戦を強いられている現状が伺われる。

同社は人員および業務の調整を、「長期的で持続可能、かつスケーラブルな事業を築くために必要なプロセス」とし、「補助的なものではなく、ミッションの核となるものに焦点を当てている」と主張しているが、約4億ドル相当の2018年第2四半期の追加損失を隠蔽していた可能性や起訴スキャンダルなども追い打ちをかけるかのように浮上し、窮地に追い込まれている。

最新の動向では、中国の夏に向けて水力発電の電力費が安くなる事を受け、マイニングマシンの増大や再稼働を行う旨を報告しているが、ハッシュレートが高い水準で維持され強豪が未だ犇めく現状、根本的な解決には至っていないとの見方は強い。

上場計画

Bitmain社のIPO計画が最初に明るみにでたのは、仮想通貨市場がまだ好調期にあった2018年6月。同社のCEOであるJihan Wu氏は「香港のような米ドル建て株式を持つ市場での海外IPO」を検討していることを、ブルームバーグの取材で明らかにした。

「2017年に25億ドル(約2750億円)の収益を計上した」というWu氏の証言をもとにブルームバーグが推定したところによると、Nvidia Corp.やMediaTek Inc.などの上場チップメーカーと同様の倍数を適用した場合、同社の評価額は約88億ドル(約9683億円)に達していた。また当時Wu氏は共同創設者のMicree Zhan氏とともに自社株のおよそ60%を保有していたというが、評価額に基づいて算出すると両者の持ち株は総額53億ドル(約5831億円)相当だったことになる。

投資アナリストが「BitmainのIPOは30億~180億ドル(約3300億~1兆 9804億円)規模になる」と期待を寄せたのも不思議ではない。

さらに夏の中盤までに同社がIPOの融資契約を終結したとの報道が浮上し、評価額は150億ドル(約1兆 6505億円)に達した。中国のテックコングロマリットTencentと日本のSoftBankが関与したと報じられたが、SoftBank は否定。Tencentは否定も肯定もせず曖昧なスタンスを崩さなかった。

中国の3大マイニング企業、香港上場暗礁に

しかし順風満帆にみえた景気は長続きせず、同社の仮想通貨保有額は2018年8月末には8.2億ドル(約910億円)と同年3月のほぼ半分にまで減少していることが、公表された報告書から明らかになっていた。

巨額の資本流入だけではなく、「マイニング業界の発展や市場における透明性の向上に大きく貢献する」と期待されていた大型IPOだけに、香港の株式市場規制当局による消極的な姿勢は非常に残念だ。

香港での上場を断念したのは中国のマイニング企業はBitmainだけではない。一足先にHKExに上場申請を行ったマイニング大手Canaanは申請失効後、ニューヨークでのIPOに計画を変更し、億邦国際は再申請に踏み切った。Bitmainがいずれの方向に進むのか、現時点では明らかになっていない。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ニューヨーク州の仮想通貨マイニング企業が直面する壁|マイニング業者の実情とは
米国ニューヨーク州において、マイニング業者はエネルギーコスト増加や規制の影響を受け、また弱気市場も重なり、同州のマイニング企業は窮地に立たされている。
ソフトバンク投資ファンド、保有していた「米エヌビディア」株を全売却|仮想通貨ビットコイン暴落に伴うマイニング事業縮小の余波も
世界有数の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が、保有していた米エヌビディアの株価低迷を受け売却した。中国経済減速のほか、ビットコインなど仮想通貨市場の大幅下落が影響を及ぼしたものと思われる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/22 金曜日
15:00
仮想通貨XDC(XDC Network)の買い方と将来性は?
ハイブリッド型ブロックチェーンを採用する仮想通貨XDCの特徴や将来性を解説。SBIとの提携や買い方、リスクについても詳しく紹介します。
13:50
米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」
米連邦地裁がSECのディーラー規則を無効と判断し、SECの敗訴が確定した。原告の米ブロックチェーン協会CEOは、この判決は仮想通貨業界全体の勝利であると表現。ディーラー規則は分散型金融に重大な影響を与える可能性が危惧されていた。
13:10
トレードの機会損失を最小限に、メタマスクがイーサリアムガス代込みスワップを新たに導入
仮想通貨イーサリアムの主要ウォレットMetaMaskは新機能「Gas Station」の導入を発表した。ガス代不足によってスワップが中断されることを防ぐものである。
11:26
チャールズ・シュワブ次期CEO、規制緩和で仮想通貨現物取引への参入示唆
米大手ブローカー、チャールズ・シュワブの次期CEOが、規制環境の変化があれば仮想通貨現物取引へ参入すると述べた。トランプ新政権に期待する格好だ。
10:10
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」、板野友美がアンバサダー就任
タレントの板野友美氏がWeb3ゲーム「コインムスメ」のアンバサダーに就任。板野氏プロデュースのアイドルグループとのコラボユニットも結成する。
09:55
Suiブロックチェーン、稼働停止の原因や対策を公表
約2.5時間稼働を停止していた仮想通貨SUIのブロックチェーンが復旧。その後、原因や今後の対策を公表している。
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。
06:45
トランプ氏のメディア企業、「TruthFi」仮想通貨決済サービスの商標出願
トランプ次期大統領が保有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは今週、デジタル資産取引やその他決済処理サービスのプラットフォーム「Truthfi」の商標出願を行った。
06:25
SECがソラナ現物ETFの審査開始、2025年承認へ期待高まる
米証券取引委員会はソラナ現物ETFの上場申請に関する審査を開始したようだ。SOLは本日8%上昇している。
06:08
トランプ次期政権の仮想通貨諮問委員会、ビットコイン準備金設立の可能性=報道
トランプ次期大統領が提案した仮想通貨諮問委員会は、米国のビットコイン準備金を設置する可能性があると報じられた。
05:45
ソラナが史上最高値更新、XRPも急騰、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け
仮想通貨のソラナやXRPなど、SECが規制の標的としている銘柄は22日、ゲンスラーSEC委員長の退任が確定したことを受けて大幅に上昇した。
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧