はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FRB元高官「米ドルの主導権を仮想通貨ステーブルコインでは代替できない」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FRB元高官、米ドルの主導権を仮想通貨ステーブルコインで代替できないと反論
英中銀総裁が、米ドルの位置づけを将来リブラに似たような仮想通貨で置き換えることの可能性を演説で語ったことに対し、連邦準備銀行元責任者は、米経済がもたらす安定性と影響力をもとに反論を行なっている。
           

FRB元高官、米ドルの主導権を仮想通貨ステーブルコインで代替できないと反論

アメリカの連邦準備銀行元責任者Simon Potter氏が、グローバル通貨としての米ドルをリブラのようなステーブルコインに置き換えることの可能性に反論した。BNNブルームバーグ誌が報じた。

イギリス中央銀行の総裁のMark Carney氏が8月に米国連邦準備制度理事会の年次シンポジウムで行った演説に対する発言である。

当時の演説内容は、外貨準備通貨として各国に保持されている米ドルの位置づけを、リブラに似たような仮想通貨で置き換えることの可能性を提案したものだった。

Carney氏は、デジタル通貨による置き換えは、中国の人民元、あるいは別の国の通貨が米ドルの位置づけに入れ替わってしまうよりは、良い選択肢であると述べた。

さらに、新たな「統合的な主導権を持つ通貨(Synthetic Hegemonic Currency)」は公共部門が、各国中央銀行のデジタル通貨ネットワークを用いることで、最も容易に作り出せるだろうと付け加えていた。

同氏は、「経済政策の不確実性の高まり」、「公然となされる保護主義」、「政策空間が限定されていること」が世界経済へ悪影響を与えているとも主張していた。

こうした発言をみると、世界経済が一国の通貨である米ドルの主導権に左右される状況であることのデメリットが、今回のデジタル通貨ネットワークによる「統合的な主導権を持つ通貨」を提案した際に、念頭に置かれていた可能性もある。

フェイスブック社のリブラについて、7月にCarney氏はリブラのプロジェクトは非常に多くの人々が関係する大規模なものであり、それを始動させるならば開始時点から実質的に完璧なものである必要があるとも発言している。

Potter氏の反論

Simon Potter氏は、米ドルをステーブルコインによって置き換えるという案に反論して以下のように語った。

巨大な資本が流動する米国市場がすでに存在している。ゆえに、複雑極まりない何か他のものを作り出す必要は見出せない。物価を基礎づけることができて、懐の深い市場を持つ『一つの通貨』がなければ、グローバル経済の発展には障害が生じてしまう。

Potter氏の意見では、中央銀行が仮想通貨によって協働することは考えにくい。だが民間企業がそうしたことを行う可能性はある。その場合、中央銀行は懸念しなければいけない。

なぜなら、ある国が法定通貨をコントロールする場合には、人々を保護して、良い経済的結果を得るように努めるが、民間企業は、売り上げにより関心が高いからという。

リブラの責任者はこれまで、Simon Potter氏のような各国政府関係者の懸念に対しては、リブラは国家の通貨主権を脅かすものではない、と再三主張している。フェイスブック社の他には、仮想通貨取引所バイナンスも、地域ステーブルコイン「ヴィーナス」の発行構想を進めているところだが、こちらは、当該仮想通貨の発行量などが国家の管理の元に置かれるということを各国政府にアピールしている状況だ。

CoinPostの注目記事

仮想通貨リブラとブロックチェーンを利用する最大の利点、フェイスブック責任者が説明
フェイスブックの責任者が、既存の銀行インフラを利用せず、ブロックチェーンを利用する理由を説明。銀行のシステムでは仲介者が必要で、コストがかかると解説している。
中国デジタル通貨の”権威” 「リブラなどステーブルコインの進歩は止められない」
中国のデジタル通貨研究所所長が、リブラとデジタル元のインパクトと課題について、過去の歴史を踏まえても、国の規制当局の管轄下で仮想通貨のコントロールは事実上不可能との見解を述べた。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/28 日曜日
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧