ブロックチェーンはSDGs達成を速める
28日、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「国連はブロックチェーンを受け入れる必要がある」と発言した。 Forbs紙に対してグテーレス事務総長は以下のように語った。
国連がデジタル時代において、その役割を果たしていくためには、ブロックチェーンのような技術を受け入れる必要があり、それが(国際レベルでの持続可能な開発目標)SDGsの達成を速めることになる。
2018年10月にもグテーレス事務総長は国連総会での演説で、ブロックチェーンなどの分野は、達成に向けた前進を早める可能性があると言及している。
一方、演説では仮想通貨の犯罪利用にも言及しており、犯罪ネットワークが匿名性の高い仮想通貨を用いて人身取引や密売を行っていると非難した。
グテーレス事務総長はこれまでの発言や、2018年の7月には「デジタル協力に関するハイレベル・パネル」を設置するなど、SDGsの達成においてテクノロジーが果たす役割を重視していることが読み取れる。
国連は、平和から経済、人権、環境まで様々な分野で課題解決に向け活動している。2015年に国連は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しており、「貧困をなくそう」や「気候変動に具体的な対策を」といった計17個のテーマを掲げ、この目標に沿って活動してきた。
ブロックチェーンの利活用
ブロックチェーンは、国連において様々な形での活用が想定される。
資金集め等の観点からプロジェクトに透明性が求められる国連のような機関では、ブロックチェーンを利用することで、組織自体をより透明かつ効率的なものとするインセンティブが存在する。
また、アンバンクや人身売買、マネーロンダリングなど国連が解決に取り組んでいる課題の面でもブロックチェーンが解決の糸口をつかむ可能性がある。
様々な社会問題を解決する可能性を秘めながらも、一方で犯罪への悪用が指摘される仮想通貨の根幹であるブロックチェーンという道具が社会にもたらすインパクトを今後も注視する必要がある。