はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

明日に迫る口頭弁論期日:仮想通貨XRPの有価証券問題 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨XRPの有価証券問題

XRPの有価証券問題を巡る米リップル社に対する集団訴訟が明日、一つの山場を迎える。  2018年夏に始まったこの訴訟だが、数々の紆余曲折を経て、明日15日、米連邦裁判所法廷で口頭弁論が行われる予定だ。

これまでの経緯

2013年に米リップル社が仮想通貨XRPを一般投資家へ販売したことは「米証券法」に違反するとして、XRPを購入した投資家が2018年に同社を提訴したことが、この訴訟問題の発端である。 争点はXRPが有価証券に当たるかどうかであるため、「仮想通貨の有価証券性」そのものが問われており、仮想通貨業界全般への影響が大きいことからも注目されてきた。

2019年4月、SECは特定のトークンが有価証券に該当するか否かの判断基準を示すガイダンスを発表。 また、同年6月、この集団訴訟の新しい原告代表としてBradley Sostack氏が選出され、8月には、SECのガイダンスを引用した修正訴状が原告団から提出された。

この訴状では、リップル社がXRPへの需要を高めるために、企業としてのリップル社と仮想通貨XRPの区別を曖昧にするとともに、XRPの供給制限を行い、さらにXRPの大手仮想通貨取引所の上場のための献金工作などを行ったことが、カリフォルニア州法における虚偽宣伝や不正競争違反にあたると主張していた。

リップル側の主張

これを受けて、リップル社CEOのBrad Garlinghouse氏はツイッターで「SECの仮想通貨ICOガイダンスは法律ではない。明らかにXRPは有価証券に該当せず、UKの規制当局も有価証券ではないと判断している。」と反論した。

そして9月、リップル社は、有価証券問題には直接触れず、原告側には訴訟を追行する「当事者適格」がないとして集団訴訟取り下げ要求を裁判所へ提出した。原告によるXRP購入時期が、XRPが初めて一般投資家へ販売された2013年から3年経過した後であったことから、証券法が定める発行者の「法定責任期間」に当たらないとの主張だ。

この訴訟取り下げ要求に対し、原告団は11月、被告が主張する「法定責任期間」条項の本件への適用はXRPを継続的に販売しているため該当せず、その解釈は、証券法の本来の目的を損なうものだと主張していた。

この原告側の返答を受け、リップル社は12月、原告の訴訟に適用する法的期限が過ぎていると、以前の申立書と同じ主張を繰り返すと同時に、原告の主張の矛盾を改めて指摘する申立書を提出し、現在に至っている。

有価証券問題はどこへ?

この訴訟で元々原告が主張していた「リップル社による未登録証券の販売」は、リップル社の巧みな戦略により大きく論点からずらされ、現在の争点は「米国証券法が定める3年間の法定責任期間(Statute of Repose)」条項が原告へのXRP販売に適用されるか否かに、移行してしまった形となっている。

 

原告は、「リップル社が毎月行なっているXRPの販売は有価証券の継続的販売に該当するため、『Statute of Repose』という条項は適用しない、また先例もない」と主張している。

これに対し、リップル社は、たとえXRPが証券であったにしても、原告は訴訟を起こすには購入時期が遅すぎたと主張、申立書では次のように述べている。

「XRPは証券ではないが、この申し立ての目的には関係しない。仮にXRPが証券であったとしても、原告の主張は法的な観点から失敗だといえる。」

弁護士の意見とCFTC会長の見解

Fisher Broyles弁護士事務所のRebecca Rettig氏は、リップル社が用いた法定責任期間の議論は、過去の判例では何度か成功したことがあると、抵当権付き住宅ローンの担保証券の例を引用した。

 

しかし、このような論点を交わす戦略でリップル社が当訴訟に勝ち得たとしても、「この訴訟を通じては、XRPが有価証券に該当するかどうかは誰にもわからないだろう」と述べ、この問題は「長期間にわたり終わることはない」と結んでいる。

また、直近では米商品先物取引委員会(CFTC)のHeath Tarbert会長は、映像メディアChedderとのインタビューにおいて、SECがXRPを証券として分類する可能性もあることを示唆した。ただし、状況は依然としてとして明瞭ではなく、XRPが商品と見なされた場合は、CFTCの管轄下に入るため、「何がどちらの管轄に入るのか、昨年より、SECと緊密に協議を重ねている」と慎重な対応を見せた。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧