コロナで変わる商品購入
コロナウイルスの感染拡大を受け、ショッピングサイトの運営に仮想通貨決済システムを取り入れるShopifyを経由した利用者数が急拡大している。
NY証券取引所に上場する株価は、過去最高値を更新。世界的な株安の影響を受けた株価も、その後のトラフィックの拡大を受け急回復した。
Googleファイナンスのデータによると、コロナ危機の記録的株安で一時322.29ドルの安値をつけたのち急反発。4月17日の590ドルまで、約1ヶ月で83%高となっている。
As we help thousands of businesses to move online, our platform is now handling Black Friday level traffic every day!
— Jean-Michel Lemieux (@jmwind) April 16, 2020
It won't be long before traffic has doubled or more.
Our merchants aren't stopping, neither are we. We need 🧠to scale our platform.https://t.co/e2JeyjcEeC pic.twitter.com/6lqSrNUCte
Shopifyのプラットフォームは、毎日ブラックフライデーレベルのトラフィックを処理している。
ShopifyはECサイト開発・運営を助けるプラットフォームとして、175か国100万ショップ以上に導入されるまで成長を遂げたカナダの企業。アマゾンキラーとも呼ばれ、EC市場が変革する中で、注目される企業の1社だ。
これまで、ECサイトの開設には、専門知識やエンジニアの雇用、サーバーの設置などが必要となったが、Shopifyは個人や企業が簡単に販売サイトを立ち上げることができるモデルをサブスクリプション形式で提供している。
Shopifyは、プラットフォームの運営ではなく、裏方の支援という形でEC運営を支援。コロナ危機で実店舗の営業が立ち行かなくなる中で、新たな販売の道を模索する事業者の需要も拡大した。
販売時の決済手段も多様で、クレジットカードやApple Pay、PayPal、携帯キャリア決済のほか、仮想通貨にも対応する。
仮想通貨決済では、Bitpayと連携しており、ビットコインやビットコインキャッシュの決済を可能にする。Sopifyを経由してECサイトを立ち上げた事業者が、決済手段として導入することができる。
ECサイトの変化
大手ECサイトを経由した販売方法が主流となっていた中で、ECプラットフォーム離れも加速しているという。
主な理由は、商品ブランドと価格競争だ。
商品や情報が多様化する中で、購入者はブランドを意識せず、価格や口コミを優先とした購入手段を取る傾向が強いという。結果として、大手ECサイトで購入した印象は持つものの、商品ブランドの認識に結びつきづらい状況に繋がっている。
インターネット社会の中で、個人のブランディングも重要視される中で、オンラインの商品販売にも、製造者が消費者へ直接的に商品を販売する「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の新たな波が来ている。
第三者プラットフォームを挟まない商品販売の形は、手数料を省くことや、価格競争に晒されない状況を作るだけでなく、消費者との繋がりが新たに作られる。購入者の情報が取得できる状況から、マーケティング戦略への応用面もこれまでとは大きな変化を齎しているという。
新型コロナウイルスの蔓延に伴い、商品の販売と購入のあり方も変わりつつある。消費者と販売者が直接繋がる事業が展開される中で、お金のあり方にも変化が見られるか。仮想通貨の利用にも注目したい事例となりそうだ。