DeFiトークン時価総額、20億ドルを超える
仮想通貨分散型金融(DeFi)トークンの時価総額が、20億ドルを超えたことが分かった。4月中旬に10億ドル到達が観測されたが、それから短期間で急速に成長している。
データを提供するDeFiMarketCapは現在570種類のトークン銘柄を登録、時価総額は約23.7億ドル(約2552億円)にのぼる。
ランキングでは、MakerDAOのMaker(MKR)が約6.7億ドルで一位、以降は順にOx(ZRX)、Kyber Network Crystal(KNC)、Synthetix Network Token(Synthetix)、UMA Voting Token v1が続く。一位のMakerは全体の約4分の1以上を占めている。
また、時価総額が複数のトークンにまたがるDeFi商品もある。レンディングプロトコルAave上で、ETHまたはUSDCにリンクされた金利付きトークンの時価総額は約1.7億ドルを超えた。Compoundのトークンの合計は約1.3億ドルを記録している。
新プラットフォーム「DeFiMarketCap」
DeFiMarketCapは、今年4月に新しく立ち上げられたプラットフォームで、MakerやCompoundなどのDeFiプロジェクトやプロトコルに接続されたトークンの総額を測定するものだ。
このプラットフォームを開発したのは、DeFi投資インターフェースを提供する企業Zerionのチーム。DeFiトークンの時価総額ランキングを、トークン価格や供給量などの基本的な情報と共に提供する。
既存の指標サイトCoinMarketCapによく似ているものの、急成長するDeFi市場に焦点を絞って設計された。
ZerionのCEO、Evgeny Yurtaevは開発の背景について述べ「Makerなどのアプリに資金提供・管理するために使用されるトークンの時価総額計測ツールを、現在の業界は必要としている」と語った。
DeFiに関連付けられた銘柄の増加は、銀行など従来型金融機関を介さない方法で、融資を受けたり利子を得たりしたいユーザーが増えているのを示している。
DeFiMarketCapが示す総額は、DeFi Pulseなどのサイトが追跡する資産ロックアップ総額(Locked Total Value)とは異なっている。ロックアップ総額は、流動性提供やローンの担保といった業務が行われる際に仮想通貨がDeFiへ預入された額となる。
DeFiへのロックアップ(預入)総額も回復基調
一方DeFi Pulseによると、3月中旬にコロナ危機を受けて落ち込んでいたDeFiへのロックアップ総額も10億ドル規模に回復している。
背景としてはイーサリアム価格が上昇したこと、またMakerが、プロトコルの担保金として「WBTC」を承認したことが影響しているという。
WBTCとはWrapped Bitcoinの略で、現物BTCを裏付けとしてERC20トークンを発行する。WBTCとしてロックされたビットコインの合計数は、6月3日時点で約1000BTCから4004BTCにまで4倍以上増加した。
参考:Decrypt
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