- 財務省・金融庁・日銀、リブラの連絡会を設置
- 財務省は12日、金融庁および日銀と共同で、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」に関する連絡会を設置したことを明らかにした。リブラが世界経済に与える影響や、資金洗浄対策など、広範な議論が行われる予定だ。
財務省・金融庁・日銀、リブラの連絡会を設置
財務省は12日、金融庁および日銀と共同で、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」に関する連絡会を設置したことを明らかにしたと時事通信が報じている。
リブラが世界経済に与える影響や、資金洗浄対策など、広範な議論が行われるとのことだ。
フェイスブックは約20億人のユーザーを抱えているが、同社の取り組むリブラが普及した場合、特に新興市場の資金がリブラへと流れることが予想されるため、発展途上国における銀行の財政健全性が不安視されている。さらに、中央銀行の影響力の低下による、金融政策の影響範囲の縮小化も憂慮される事項の一つだ。
さらに資金洗浄やテロ資金供与などの対策を講じる必要性も多く訴えられている。
来週に控えるG7サミットでも、リブラが主要議題として取り上げられる予定で、フランス中銀の理事長は仮想通貨を利用するマネロン問題とその規制などに対し、G7で審議できるように加盟国で構成された特別対策チームを設立している。
G7の加盟国は、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダとの7ヶ国だ。
特別対策チームはマネー・ロンダリング対策や消費者保護等の観点から、各国の中央銀行がどのように「リブラ」のような仮想通貨に関わっていくべきかを調査する役割を持つという。
イーサリアムの共同設立者であるMihai Alisie氏も、リブラの中央集権性に懸念を示し、「企業(フェイスブック)が中央集権的な通貨を作ろうとしていると捉えるべきだ」と話している。
さらに、最大8700万人分のフェイスブック利用者の個人情報が不正流用された件で、米連邦取引委員会(FTC)は先日、フェイスブックに約50億ドル(約5400億円)の制裁金を課している。
このように規制面以外でも、リブラの利用者のプライバシー保護・消費者保護に対する厳しい目が向けられているのが実情だ。今後の各規制当局の議論の展開に注目が集まる。