- ブテリン氏が新提案
- 仮想通貨イーサリアムが慢性的に抱えるスケーラビリティ問題の解決策として、ヴィタリック・ブテリン氏がビットコインキャッシュ(BCH)のブロックチェーンの利用・統合を提起した。
ブテリン氏が新提案
イーサリアムのスケーラビリティ問題を一時的に解決する方法として、イーサリアム共同設立者のヴィタリック・ブテリン氏はビットコインキャッシュ(BCH)のブロックチェーンの利用を提案した。
現在のイーサリアム(イーサリアム1.0)は、スケーラビリティ問題などの解決を目標に、イーサリアム2.0(セレニティ)への移行に向け開発を進めているが、イーサリアム2.0では、コンセンサス・アルゴリズムが「PoS」へと移行するなど大きな変更点が複数存在している。
そのため、開発期間の長期化が予想される中でブテリン氏は、今回の提案を行なった。
数あるブロックチェーンの中で、ビットコインキャッシュのチェーンの利用を提起した理由として、以下の要項が記されている。
- データ処理能力が優れる点(BCH = 53,333 byte/s、ETH = 〜8,000 byte/s)
- 安い手数料
- BCHのブロックをイーサリアム内で処理する機能が既に存在している点:btcrelay.org
- 手数料を支払う限りBCHコミュニティ側は、BCHのチェーンの利用を承諾する見込みが高いこと。
ブテリン氏は、この提案が想定通り機能した場合、スケーラビリティの改善だけではなく、二重支払いの防止などにも有効になるとしている。
ただ同技術の導入が複雑で困難な可能性にも触れ、その場合、イーサリアム2.0のバーチャルマシンが導入されるまでは、10分のブロックタイム(一つのブロックにかかる採掘時間)でも可能なように何らかの対処を行わなければならないと語った。
一方で、BCHではなくイーサリアムクラシックの利用でも可能とはしたものの、一つのブロックを採掘するためにかかる時間が10分と長く要することや、スケーラビリティがBCHより劣ることを欠点として挙げ、BCHの提案に踏み切ったと言及している。
この提案に対してコミュニティから様々な意見が見られるが、懸念点としてBCHのチェーンがハッキングされた場合にイーサリアムのデータはどうなるのか、といったものがある。
この提案が採用されるか否かは分からないが、コミュニティ内外からの関心は高まっている。
BCHの価格が急反発
ビットコインキャッシュ(取引所によってはABCとも)はブテリン氏の提案を受け、価格の急上昇を見せ、前日比11%以上の上昇を記録した。