
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(8/15 AM8時)
仮想通貨ビットコイン(BTC)は14日夜、ベッセント米財務長官が連邦政府のビットコイン準備金について、150億〜200億ドル相当と評価される没収資産のみで構築し、新規購入を否定すると発言したことに加え、FRBへの利下げ要請を行わない方針を示したことから急落した。また、同日発表された7月の卸売物価指数(PPI)の前月比上昇率が約3年ぶりの高水準となり、利下げ圧力が弱まったことも下落要因となった。

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ただし、15日朝方にはベッセント財務長官がSNSにて「財務省は準備金拡大のため、予算中立の方法でビットコインを追加取得する手段を模索している」と述べ、前言を訂正する発言を行った。
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8月14〜15日相場状況
デリバティブ市場では、急落を受けて需給が引き締まり、複数の取引所で現値より先物価格が安いバックワーデーションが発生した。

オプション市場においても、現値より高い14万ドルが依然として最大建玉であり、プットコールレシオにも大きな変化は見られなかった。短中期の投資家の強気姿勢は維持されている。

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現状分析(8/15日 AM8時)
米政権のビットコイン準備金政策の方向性は価格への影響度が極めて大きい。過去には、1月の大統領令や5月のホワイトハウス・ビットコインサミットにおいて準備金関連の進展情報が出なかったことで価格が大きく低迷した事例がある。
市場は100万BTC規模の準備金を期待しており、州レベルでもテキサス州をはじめ複数の州が準備金法案を成立させている。トランプ政権は仮想通貨業界からの支持が高いことから、ベッセント財務長官が今回の発言による急落を察知し、迅速に軌道修正したことは、政権の仮想通貨に対する高い関心を示すものである。結果的には、市場にとって好感材料となったと考えられる。
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