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韓国大統領選2022、仮想通貨の「規制緩和」掲げる尹錫悦氏が勝利

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国史上最大の接戦

3月9日に投開票された韓国大統領選で、保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が当選した。日本時間午前3時すぎに当選確実となり、革新系与党「共に民主党」の対立候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が敗北宣言。4時過ぎには尹氏が勝利宣言を行い、5年ぶりの政権交代となった。

開票率100%となった午前6時に発表された得票率は、尹氏が48.56%、李氏が47.83%となり、韓国史上でも異例の大接戦だった。

世代により保守系(高齢層)と革新系(中年層)の支持が分かれる韓国で、今回の選挙の焦点となったのが、いかに20代から30代の若者からの票を得られるかどうかだったようだ。

文政権下における就職難、住宅価格の高騰による資産格差の拡大、また男性では同政権のジェンダー政策に対する逆差別意識などが、この年齢層(特に男性)が尹氏を支持する要因となったとみられている。

仮想通貨規制が争点となった選挙戦

今回の選挙戦では、各候補が暗号資産(仮想通貨)への友好的な対応を打ち出していたことが特徴的だった。これは、仮想通貨投資が活発な若年層へのアピールを意識していたとの見方が多数を占める。

仮想通貨ベンチャー企業「Hashed」のプラットフォーム責任者、Edward Hong氏は、韓国の仮想通貨取引所上位3社に500万以上の個人口座があることから、仮想通貨投資家が有権者の10%を占めると推定していた。

尹錫悦氏の公約

尹錫悦氏は選挙期間中、仮想通貨業界の成長を促進するため、規制緩和を打ち出した。

同氏は1月に開催された仮想通貨フォーラムで、明確に禁止されていない限り、業界は規制の制約なしに運営されるべきだと次のように述べている。

仮想通貨市場の無限の可能性を実現するためには、現実からかけ離れた不合理な規制を見直さなければならない。

また、現行の税法では、2023年から年間250万ウォン(約24万円)を超える仮想通貨の取引利益に20%のキャピタルゲイン税が課される予定だが、課税基準を株式投資と同じ5,240万ウォン(約495万円)に引き上げることを公約として掲げた。

尹氏は、仮想通貨産業からユニコーン企業が生まれるような方策を求めると主張していた。

ユニコーン企業

ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上で、設立10年以内の非上場のベンチャー企業を指す。

▶️仮想通貨用語集

李在明氏の場合

李在明氏はより積極的に仮想通貨を支持する姿勢を打ち出していた。

同氏はNFT(非代替性トークン)により選挙資金を調達することを発表。仮想通貨での寄付も受け付けた。

関連:韓国の大統領候補、選挙資金の寄付者にオリジナルNFTを贈与

また、ゲーム業界の取り込みに力を注ぎ、ゲームをプレイして報酬を得る「Play-to-Earn」のゲームに肯定的な姿勢を見せた。さらに、ゲームとメタバースのタスクフォースを設立し、韓国を仮想通貨のハブにするとの公約を掲げていた。

文在寅政権の仮想通貨規制

一方、文在寅政権は仮想通貨に対する厳しい規制を敷いてきた。

昨年3月に施行された特定金融情報法(特金法)の改正により、66社あった仮想通貨交換業者のほとんどが営業停止か廃業に追い込まれる事態となり、条件を満たし営業を継続できるのは大手4社のみとなった。

関連:韓国、仮想通貨取引所の半数以上が停止か廃業に=報道

しかし、昨年11月には大統領選を見据えてか、ICOの禁止見直しの可能性が浮上。さらに12月、韓国議会は仮想通貨に対する課税開始を、予定されていた2022年から2023年まで延期することに合意した。

関連:韓国、仮想通貨のICO禁止を見直すか=報道

関連:韓国議会、仮想通貨課税の開始を23年まで延期で合意

韓国では、明確な仮想通貨規制が定められていないことが、投資家の足枷になっているというのが業界に共通した見方だ。現在、議会には14の仮想通貨法案が提出されているが、韓国ブロックチェーン協会のHarold Kim前理事は「大統領選後に何かが起こるはずだ」と語った。

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