半数以上が営業中止か廃業に
韓国に存在する全66の暗号資産(仮想通貨)交換業者のうち、現行通りに営業を継続できるのはわずか4社であることがわかった。
半数以上は営業中止か廃業に追い込まれる。日本経済新聞が報じた。
韓国では3月に施行された特定金融情報法(特金法)の改正により、交換業者は24日までに政府に申告しないと事業を継続できなくなった。届出を怠り事業を継続した場合には、5年以下の懲役または5,000万ウォン(約500万円)以下の罰金が科せられるペナルティが発生するという。
申告には1)情報セキュリティー認証の「ISMS」取得、2)銀行と提携し利用者の実名口座を開設、3)役員の法令違反がないこと、の3つの条件を満たす必要がある。また、登録ができても銀行と提携できなかった場合は、ウォン(法定通貨)の取引が禁止されることになる。
この新制度は、マネロン防止や、国際的な送金ルール「トラベル・ルール」の遵守などを主眼とし制定されたものだ。
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トラベル・ルールとは
FATF(金融活動作業部会)が提唱するマネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールのこと。暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。
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条件満たしたのは4社のみ
韓国政府によると、期限の24日までに申告したのは仮想通貨関連事業者を含む33社。上記3つの条件をすべて満たしたのは、Upbit、Bithumb、Coinone、Korbitの大手4社のみだという。
政府に申告をしなかった交換業者は25日から営業ができなくなる。すでに顧客に営業停止や廃業を通知し、金融当局は「投資家への被害は限定的である」と説明している。
一方で、大手4社に上場していない銘柄の現金化は困難になり、高麗大の金炯中(キム・ヒョンジュン)暗号貨幣研究センター長は、「投資家の被害規模は4兆ウォン(約3750億円)程度になる」と試算した。
多くの交換業者が政府に申告することができなかったことには、マネロンなどの懸念から銀行が仮想通貨取引所とパートナーシップを結ぶことを避ける状況があり、大手の取引所以外は提携できなかったことが背景にある。
上述の大手4社に関しては、引き続きウォン建ての決済を行うことができるが、ProBit、Cashierest、Flybitなど一部の小規模取引所は、ウォンの取引を終了し、銀行との提携を確保するまでは、仮想通貨建ての取引のみを提供すると発表している。
また、CoinDesk Koreaによると、直前まで銀行と交渉していたGopax、Huobi Korea、Gdacの3つの取引所も韓国ウォンでの取引を停止する。23日には、ProBitとProblegateも同様の措置を取ったという。
新たな登録制度を前にして、バイナンスやByBit、BitMEXなど複数の取引所が、韓国でのサービスを一部制限することを発表していた。
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