韓国向けサービスを一部停止へ
暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitは17日、規制の変化を踏まえ、20日より一部の韓国向けサービスを停止する方針を発表した。
停止するのは1)公式プラットフォームの韓国語対応と2)韓国コミュニティーの公式SNS。Bybitは韓国の法定通貨であるウォン建の取引ペアや決済、トランザクション手段は提供していない。その他のサービスは変わらず提供し続けるとした。
韓国では24日より、仮想通貨取引所に登録を義務付けるライセンス制度の施行が控えており、今回の発表は規制リスクを懸念した動向だと言える。ライセンス登録のためには銀行と提携し、ユーザーの実名口座を開設することが条件の一つだが、銀行側が取引所との関わりを避けていたため、登録が難しい状況となっていた。
Bybit側は仮想通貨の民主化のためには規制は必要であると言及。取引所として規制当局との連携を図る責任を果たし、各国の規制に準拠して金融包摂の促進と仮想通貨業界の発展に貢献していくとコメントした。
また、今後も規制当局や法律の専門家と連携して、ユーザーに負担がかかることのないようにしていく意向を示している。
ライセンス制度の詳細
韓国の規制当局は5月末、取引所など仮想通貨関連業者などに、韓国金融委員会(FSC)の金融情報分析院(FIU)へ登録書類の提出を義務化。資金洗浄(マネーロンダリング)対策やKYC(顧客身元確認)の強化、並びにハッキング防止など機密データを外的脅威から守るためのシステムなどが審査対象となる。
既存事業者が9月24日までに届出をせずに事業を継続した場合は違法とみなされ、5年以下の懲役または5,000万ウォン(約500万円)以下の罰金に処せられるため、ライセンスを取得できなかった取引所が相次いで韓国向けのサービス停止を余儀なくされてきた。
また、同法は国際金融機関の金融活動作業部会(FATF)が提唱するトラベル・ルールに遵守する格好となる。
トラベル・ルールとは
金融活動作業部会(FATF)が定めるマネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルール。VASP(暗号資産サービス提供者)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。
また、対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。
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