韓国議会、仮想通貨課税の開始を23年まで延期で合意

2023年まで仮想通貨課税を延期へ

韓国の与野党は11月29日、国会企画財政委員会の税制小委員会で決議を行い、暗号資産(仮想通貨)収益への課税開始を一年延長することで合意した。2022年から課税開始の予定だったが、2023年まで延期することがほぼ確定した格好だ。

来年の大統領選挙を控え、与野党が仮想通貨投資家の多い若者世代の票を取り込もうとして、この合意に至ったのではないかという見方もある。

課税法案では、年間250万ウォン(約24万円)以上の利益を得た者に20%の税金を課すことが提案されている。

延長の背景として、この法案に対して、30日以内に20万人以上の署名を集めれば、政府から直接回答が得られる大統領官邸の公式サイトに、投資家からの抗議が殺到したことも挙げられる。税制案を批判し、金融規制当局の退陣を求める請願書も、25日間で20万人超の署名を集めていた。

株式投資よりも不利な課税案

投資家らが、課税法案に反対した理由としては、まず、仮想通貨に対する法的定義や投資家保護が明確ではない時期に、先に税金を課すのはおかしいというものがあった。

さらに、仮想通貨が通常の株式投資よりも重く課税される点も批判されている。新法では、250万ウォン(約24万円)以上の仮想通貨収益に課税することを提案しているが、株式収益への課税基準は5,000万ウォン(約480万円)からである。

こうした状況で、与党の民主党と、野党「国民の力」党の両方が、仮想通貨への課税を延期する提案を行った。

「国民の力」の議員らは10月、課税基準額の変更も提案。課税対象となる額を、株式なみの5,000万ウォンに引き上げ、5,000万~3億ウォン(約480万円~約2,900万円)までの利益に対して20%、3億ウォン以上の利益に対して25%の税率を課すという改正案を作成していた。

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しかし、課税基準を株式と同じレベルに引き上げる改正案は、韓国企画財政部(財務省に相当)の強い反対により、承認されなかった。

企画財政部の考え方は、仮想通貨の利益は、宝くじの当選のように偶然に利益が出る「その他の所得」に分類されるため、株式の利益とは異なるというものだ。

検討すべき課題

税務の専門家からは、一年間の猶予期間中に、韓国政府はピアツーピア(P2P)取引やNFT(非代替性トークン)、未上場仮想通貨などについても議論を深めるべきだという声も上がった。

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NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。

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その他にも、韓国の金融当局は、仮想通貨の取引所への上場・上場廃止の基準を強化すること、音声を用いて詐欺を行うボイスフィッシングの被害者が被った損害を取引所が弁済することなどを検討するとしている。

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