FLOWの概要
「Flow」は、NFT市場を牽引するDapper Labsが独自に開発した、エンターテインメント特化型のブロックチェーンだ。
Dapper Labsがリリースしたゲーム「CryptoKitties」が大ヒットする中、イーサリアムブロックチェーン基盤のトランザクション詰まりや取引手数料のガス代高騰など、スケーラビリティ(拡張性)の課題に直面してきたという経緯があった。
そうした中、Flowブロックチェーンはスケーラビリティ問題を解消し、取引手数料を気にすることなくdApps(分散型アプリ)を使えるように開発されている。
Flowブロックチェーン
Flowでは、ブロック承認プロセスを「収集、コンセンサス、検証、実行」の4つに分割し、それぞれのプロセスを各ノードとバリデータが分散処理することで高速化を実現した。
従来のシャーディングやレイヤー2ソリューションでは、実行環境からACID(Atomic, Consistent, Isolated, and Durable)保証を取り除くことで、dAppsやスマートコントラクトのコンポーザビリティを壊し、ネットワーク効果を低下させるという効率性の難点があった。
しかしFlowでは、すべてのアプリがプラットフォームになり得るよう設計されている。Flow上のスマートコントラクトとユーザーアカウントは、常に1つのACIDトランザクションで相互のやりとりができるようにすることで、開発者にとってFlow上のアプリを容易に構築することが可能となった。
独自ステーブルトークンFUSD
Dapper Labsは、独自コインの「FUSD(Flow USD)」を21年6月にローンチしている。
このコインは米ドルを裏付け資産とし、Flowブロックチェーン上で発行される仮想通貨だ。FUSDは米ドルに対して1:1で担保されるステーブルコインで、仮想通貨を持たないユーザーでも、米ドルのみでFlowエコシステムへのアクセスを可能にしている。