- 米Eコマース大手がブロックチェーン事業へ本格参入
- 同社は現在の収益の中心である小売事業を近いうちに売却し、仮想通貨やブロックチェーン技術に注力する意向であると公表。同社のプレスリリースに合わせて市場は大きく反応し、株価は23日に前日比23%の上昇を見せている。
- Overstock社の仮想通貨への取り組み
- 同社はこれまでにも仮想通貨への関心を多く寄せていた。2014年には、自社が運営するEコマースサイトでビットコイン決済の受け付けを始め、さらに、今年8月からは40種類のアルトコインによる決済も可能となった。
米Eコマース大手がブロックチェーン事業へ本格参入
米ECサイト大手のOverstockは、現在の収益の中心である小売事業を近いうちに売却し、仮想通貨やブロックチェーン技術に注力する意向であると公表した。
23日にウォール・ストリートジャーナルが報じたところによると、売却は早くて2月に行われる予定とのことだ。
Overstock社のCEOであるPatrick Byrne氏は、同社の完全子会社であり、ブロックチェーンに関連したスタートアップへの投資事業を手がけるMedici Ventures社にリソースを注いでいくつもりだと述べた。
同社のプレスリリースに合わせて市場は大きく反応した。同社の株は23日に前日比23%の上昇を見せている。
Overstock社はアメリカを拠点としてEコマース事業を展開しているNASDAQ上場企業であり、23日の終値ベースで607百万ドル(約686億円)の時価総額を誇っている。
同氏は今までの小売事業の売却先については詳細を明らかにしておらず、また子会社が短期的に損益を出したとしても問題ではないことを強調した。
Overstock社はこれまでに1.75億ドル(約198億円)の資金をMedici社に投資してきたが、Medici社は今年の第1-3四半期で3900万ドル、昨年は2200万ドルの損失を負っている。
また、Overstock社自体も今年の第1-3四半期で1.63億ドルの損失を計上しており、厳しい戦いを強いられている。
それにもかかわらず、CEOのByrne氏は仮想通貨やブロックチェーンの未来に賭けていると言う。同社が出資する著名なスタートアップの中には、トレードのプラットフォームとして期待されているtZeroなどがある。
Overstock社の仮想通貨への取り組み
同社はこれまでにも仮想通貨への関心を多く寄せていた。2014年には、自社が運営するEコマースサイトでビットコイン決済の受け付けを始めた。さらに、今年8月からは40種類のアルトコインによる決済も可能となった。
また、同社は仮想通貨関連株として多くの海外投資家から注目を集めており、株価の値動きもビットコイン価格と相関しているとされている。
同社が目をつける投資先とは
Byrne氏は、有力な投資先の一つであるtZeroについて以下のように言及している。
tZeroが毎月2百万ドルの損失を計上し続けても私は気にしない。我々はいずれブロックチェーンで大きく成長できると信じているからだ。
また、Medici Venturesは仮想通貨関連のスタートアップに留まらず、ブロックチェーン技術の活用を狙う様々な企業への投資を行なっている。その中には、投票システムや所有権をブロックチェーンで実現しようとする取り組みなどがある。