はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX

仮想通貨業界に関する議員連盟が相次いで発足、「規制と育成」の狭間で揺れる日本のビットコイン市場

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨(ブロックチェーン)に関する「議員連盟」が相次いで発足
国政の中心地「永田町」で仮想通貨への関心が改めて広がり始めている。議員連盟の他にも、税率20%の分離課税を目指す「仮想通貨税制を変える会」の発足もあり、関連法案提出に向けた直近の動きをまとめた。

仮想通貨(ブロックチェーン)に関する「議員連盟」が相次いで発足

日本経済新聞は5日、国会議事堂や首相官邸などが集う国政の中心地である「永田町」で、仮想通貨への関心が改めて広がりはじめていると報じた。

仮想通貨業界に関する「規制と育成」のバランスに腐心する金融庁が、仮想通貨交換業等に関する新法案(金融商品取引法、改正資金改正法)の国会提出を行う方針を固めるにあたり、永田町でも議員連盟の発足が相次いでいるという。

この背景には、金融庁には、国会議員から仮想通貨に関するレクチャー要請が相次ぐなど、永田町の関心が急速に高まっている経緯があるが、仮想通貨及びブロックチェーン業界に精通している議員はごくわずかだ。

議員連盟とは、特定の目的の下に国会議員が組織する集団であり、与野党の議員が所属する超党派のものや特定の政党の議員だけで構成されるもので、その目的は多岐にわたる。

国会への仮想通貨関連法案の提出は、金融庁が「仮想通貨交換業等に関する研究会」における全11回の討議結果を取りまとめた報告書発表を踏まえ、2019年の通常国会での法案提出を目指す意向を示していた動きに関連し、2019年2〜3月が目処とされていた。

報告書の概要にある、「仮想通貨交換業者を巡る課題への対応」、「仮想通貨証拠金取引等への対応」、「ICOへの対応」に関する内容を中心に、新たに法案作成が行われる見込みであると報じられている。

仮想通貨関連の議員連盟発足

今回の報道では、以下3つの「議員連盟」が挙げられた。

議員連盟名 会長
新型通貨の適正利用を考える 竹本直一 衆院議員
仮想通貨適正化 木原誠二 衆院議員
フィンテック推進 平井卓也 衆議院議員

2018年7月、「議員連盟:新型通貨の適正利用を考える」と「議員連盟:仮想通貨適正化」が、自民党の有志議員を中心に仮想通貨市場をめぐる2つの議員連盟として発足。仮想通貨に対する税制も積極的に議論していくとしているほか、投資家の損失保証などの規定や業者の登録制度や取引ルールの見直しなど、日本国内の健全な環境育成のため、規制強化を掲げている。

また「議員連盟:フィンテック推進」は、ブロックチェーン推進派としても知られる科学技術・IT担当大臣の平井卓也衆議院議員が会長に就任しており、イノベーションの促進と利用者保護のバランスを重視している。

このほかにも、自民党で竹下亘、石原伸晃、根本匠の3氏を共同代表に、フィンテックや仮想通貨の基盤技術「ブロックチェーン」を扱う、「議員連盟:未来テクノロジーと金融・制度戦略研究会」も発足するなど、仮想通貨及びブロックチェーンに関する「議員連盟」が相次いで発足している現状がある。 

仮想通貨税制を変える会

国会議員が主導する仮想通貨に関する団体として、特に大きな注目を集めているのが、日本維新の会の藤巻健史議員が発足させた「仮想通貨税制を変える会」だ。

藤巻議員は、2018年の参議院予算委員会にて、安倍総理や麻生財務大臣に対し、「仮想通貨及びブロックチェーン」に関する質問を行うなど、仮想通貨業界の発展のため、尽力している。

サポーター登録数10,000人を第一目標(現在、6,500人)に掲げる同会は、税制改正に関して、以下の4点を強調しており、高い支持を集めている。

  • 最高税率55%の総合課税から、20%の分離課税へ
  • 損失の繰越控除を可能に
  • 仮想通貨間の売買を非課税に
  • 少額決済を非課税に
藤巻議員が発足させた『仮想通貨税制を変える会』2019年から活動本格化
藤巻健史議員が発足させた「仮想通貨税制を変える会」は、1ヶ月で5000人を超える支援者が集まったが、政治を変えるには数の力が必要で、さらなる参加(匿名可)を呼びかけている。日本政府に提言するにあたり、講演会や意見交換会なども定期的に開催予定だという。

仮想通貨の税制に関しては、現在の分離課税(最高税率55%)が、税率約20%の株やFXなど他の金融商品や海外の仮想通貨税率と比較して本当に妥当なのか、日本の将来を担う成長産業の妨げになりかねないといった指摘もある。

他所得との損益通算ができない点や損失(マイナス)の繰越ができない点も、値動きの激しい仮想通貨市場におかれる投資家を苦しませているが、税制を議論する場は国会にあるため、まずは安倍総理や麻生大臣を始め、国会議員の先生方に声を届けてもらう必要がある。

今後は参議院選挙に向けた思惑も

法律は原則として衆参両院で可決されたときに成立するため、金融庁が今回提出予定の新法案も、国会に提出された後に審議を経て、衆参両院の採決で可決されてから、晴れて「成立」となるものと思われる。

今年の夏(7月28日)には、第25回「参院選」が予定されているが、議員連盟について様々な立場のグループが相次いで発足される中、仮想通貨関連の政治活動は、選挙(投票)権を有し、社会的地位を確立しゆく”ミレニアル世代”にある若い投資家の関心を集めやすいことから、今後このような活動がさらに活性化する可能性も考えられる。

日本の仮想通貨業界において、世界各国に先んじた規制強化で国際的な関心が高まる中、日本の将来を担う新興産業の今後を占う「新法案」についても、議決権を持つ政治家及び議員連盟の存在感がより増していくことになりそうだ。

議員連盟の活動が、仮想通貨市場にどのような影響を及ぼすのか注目されている。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』藤巻健史議員インタビュー(前編)
仮想通貨の税制改正問題など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生に、CoinPostで独占インタビューを実施。ビットコインなど現在の仮想通貨業界に関する見解を伺った。
安倍総理が国会で「ブロックチェーンの将来性」に言及、藤巻議員が仮想通貨の税制について質問
11月26日の参議院・予算委員会にて、安倍総理はブロックチェーン技術について、「仮想通貨のほか、金融に限らず様々な分野において利活用の可能性がある。」と述べ、企業の生産性向上や、様々なサービスの利便性・安全性向上に繋がるとした。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

Fotokon / Shutterstock.com

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/15 水曜日
13:45
バイナンス、仮想通貨の上場費用告発を否定
バイナンスはリミットレス・ラボのヘザリントンCEOがトークン供給量の8%要求を告発したことに対し、虚偽で名誉毀損的だと反論。取引所は上場手数料を請求していないと表明した。
13:20
ニューヨーク市、全米初の自治体仮想通貨専門局を設立
ニューヨーク市のアダムス市長が行政命令に署名し、全米初となる自治体の仮想通貨・ブロックチェーン局を設立した。モイセス・レンドン氏が局長に任命され、責任ある仮想通貨の利用を促進する。
11:40
バイナンス、韓国への再進出なるか 当局がGopax買収で二年半ぶりに審査再開=報道
韓国当局が仮想通貨取引所バイナンスのGopax買収審査を約二年半ぶりに再開したと伝えられる。米国での訴訟取り下げが背景で、今年中の役員変更承認の可能性もある。
11:25
テザー、セルシウス破産管財団に約450億円和解金支払う
ブロックチェーン・リカバリー・インベストメント・コンソーシアム(BRIC)は、テザーがセルシウスネットワークの破産管財団に約450億円を支払ったと発表した。2024年8月に提起した訴訟が和解に至った。
10:40
ウィズダムツリー、ステラ(XLM)ETPを欧州市場で上場
米ウィズダムツリーがステラブロックチェーンのネイティブトークンであるXLMに投資できるETPを欧州で立ち上げた。現物裏付け型で管理報酬は0.50%と欧州最低水準となる。
10:25
米カリフォルニア州、休眠仮想通貨の強制清算を阻止する法案成立
米カリフォルニア州で休眠仮想通貨の自動清算を禁止する法案が成立。現物のまま州政府に移転され所有者は価格上昇時に恩恵を受けられるようになる。
10:20
イーロン、ビットコインのエネルギー基盤構造を評価
イーロン・マスク氏は、仮想通貨ビットコインは法定通貨で見られる増刷による価値低下に耐性があるとの見方をXに投稿。最近はマスク氏がビットコインに言及するのは珍しい。
08:00
S&Pグローバル、チェーンリンク経由でステーブルコイン評価を提供開始
S&Pグローバルがチェーンリンクと提携し、ステーブルコイン安定性評価をブロックチェーン上で提供すると発表した。格付け機関の評価がスマートコントラクトで直接利用可能になるのは業界初となる。
07:10
メタプラネットの企業価値、初めて保有ビットコインの価値を下回る
仮想通貨ビットコインの財務戦略企業メタプラネットは、mNAVが一時的に初めて1を下回った。これは、市場がメタプラネットを保有するビットコインの価値よりも低く評価していることを意味する。
07:00
ブータンが国民IDシステムをイーサリアムに導入、世界初の事例に
ブータンが国民デジタルIDプラットフォームをイーサリアムに統合し、人口規模のID管理システムを公開ブロックチェーンに接続した初の国となった。2026年第1四半期までに完全移行を予定している。
06:35
シティグループ、2026年に仮想通貨カストディサービス開始へ
米金融大手シティグループが2026年に仮想通貨カストディサービスを開始する計画。過去2~3年間開発を進め今後数四半期以内に市場投入する見込みだ。
06:15
金融庁、仮想通貨のインサイダー取引規制を導入へ=報道
金融庁が仮想通貨のインサイダー取引を禁じる規制を導入と日経が報道。未公開情報をもとにした売買を禁止し違反者に課徴金を課す金商法改正案を2026年国会に提出。
06:05
米下院議員、401k退職金制度への仮想通貨投資解禁法案を提出
米下院議員が401k退職金制度での仮想通貨投資を可能にする法案を提出と報じられた。トランプ大統領の大統領令を法制化し恒久的な措置を目的とする。
05:50
バイナンス、大規模ロスカットのユーザーに455億円相当救済金を配布
バイナンスが総額4億ドルの業界支援プログラム「Together Initiative」を開始。トランプ関税発表後の市場急落で清算被害を受けたユーザーに3億ドルを配布する。
05:35
米政府、2.1兆円相当ビットコインを押収申請
米司法省が過去最大となる127,271BTC(約2.1兆円相当)の民事没収訴訟を申し立て。米政府のビットコイン準備金は現在の価格で5.4兆円を超えた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧